DATAFLUCTは、丸紅グループの菓子専門商社である山星屋の営業300名を支援する「営業支援AIエージェント」を開発し、実証実験を開始した。

背景と目的
日本の菓子卸売業界が市場縮小とコスト高騰という構造的危機に直面する中、山星屋は2027年度に売上高4,200億円という成長目標を掲げている。今回の営業AIエージェント導入は、単なる業務の自動化ではなく、AIとの協働を通じて組織全体のナレッジを形式知化し、顧客への提案品質を高めると同時に、変化に対応できる事業体質への転換を目指している。
具体的には、膨大な商品データベースからの検索、提案資料のドラフト作成、市場・競合情報の収集・要約、さらには複雑な販売データの分析といった、これまで営業担当者の時間を奪っていた周辺業務をAIエージェントが肩代わりする。これにより、営業担当者をルーチンワークから解放し、得意先との関係深化や、より顧客に寄り添った提案といった、本質的な価値提供へ注力できる体制を構築する。
概要

本実証実験では、DATAFLUCTのデータ分析自動化AIエージェント「Airlake BI Agent」を活用し、営業担当の提案活動を支援する自律型営業AIエージェントの有効性を検証する。単なる情報検索にとどまらず、各営業担当者の知見を組織全体で共有し、提案の質を向上させる次の3つの機能を実装する。
1.対話型検索:自然言語で情報を検索でき、分析とグラフ生成も自動化

「2024年4月から10月の菓子の月次売上金額推移をグラフで表示して」といった自然な日本語の指示だけで、AIがデータを解析し、もっとも適したグラフをスピーディーに生成。集計や資料作成の手作業を不要にし、売上動向の把握と意思決定を高速化する。
2.資料抜粋機能:ナレッジを民主化し、属人化を解消

AIデータ基盤「Airlake platform」上に蓄積された社内資料から、必要な情報をチャット形式で抽出・回答する。回答の根拠となるスライドのリンクや実画面を表示することで、情報の裏取りを容易にする。経験値の浅い社員が「どこに情報があるかわからない」「先輩に聞かないと進められない」といった属人化の課題を解消し、組織全体の提案レベルの標準化を可能にする。
3.AI企業分析:工数削減と、質のある提案を可能に

得意先の企業分析資料や販売実績データを多角的に解析する。AIが数値とテキストの層方からインサイト(示唆)を自動生成することで、営業担当者は分析業務の負荷を軽減し、顧客ニーズに応じた提案活動へより注力できる。
山星屋 営業DX戦略部部長 江内田氏のコメント
「人財を最大の資産」とする当社において、本プロジェクトは単なる効率化ではなく、社員の可能性を解き放つ挑戦と位置付けています。AIが膨大なデータを武器に変え、営業担当者は人間にしかできない「心通う提案」に注力する。「人×AI」の「営業1+1」体制で、経験の差を超えたチーム力を実現し、菓子卸売業界の新しいスタンダードを創り出せると期待しています。
山星屋 営業DX戦略部課長 新名氏のコメント
現在、営業担当者と検証を進めておりますが、これまで時間がかかっていたデータ集計や資料作成が、チャット感覚で瞬時に終わることに現場と共に驚いており、AIエージェントの発展に期待を持って取り組んでいます。このAIエージェントの導入により、単に作業が楽になるだけでなく、空いた時間を「お得意先様との対話」や「魅力的な売り場づくり」といった、人間にしかできない泥臭い営業活動にフル活用できると、確かな手応えを感じています。
