研美社は、20代、30代、40代の営業職の会社員を対象に「営業職の人脈形成とSNS活用の世代比較」に関する調査を行った。
営業職の人脈形成方法、今の主流は「知人・取引先からの紹介」

はじめに、「現在仕事において、どのような方法で人脈形成をしているか」について質問したところ、「知人・取引先からの紹介」(59.9%)と回答した人がもっとも多く、「交流会・展示会への参加」(53.4%)、「SNS(Instagram、X、LinkedInなど)の活用」(30.1%)と続いた。
上位2項目はいずれもオフラインでの直接的な接点であり、営業職においては対面による信頼構築が依然として重要視されている構図が示された。一方で、「SNSの活用」が3割を超えており、一定層にとってはすでに有効な手段となっていることがわかった。
次いで、「人脈を広げることのメリット」について質問したところ、「新規の商談やビジネスチャンスにつながる」が53.1%でもっとも多く、「信頼できる取引先・顧客を増やせる」(50.7%)、「業界理解や知見が広がる」(41.1%)と続いた。

「今後、営業職としての人脈形成の主流になっていくと思う方法」について質問したところ、「SNSやオンラインツールを活用したデジタルなつながり」が44.9%でもっとも多く、次いで、「展示会やセミナーなどリアルの場での交流」が43.4%、「オンラインサロン・コミュニティなど専門的な集団への参加」が40.2%と続いた。
20・30代の8割が「SNSから商談につながった経験あり」

続いて、「営業活動でSNSを活用しているか」と質問したところ、20代では8割の人が「活用している」と回答した(「よく活用している」が48.8%、「たまに活用している」が32.1%)。
30代もほぼ同様で、約8割の人が「活用している」と回答した(「よく活用している」が47%、「たまに活用している」が31.3%)。
一方、40代では約6割の人が「活用している」と回答した(「よく活用している」が29.2%、「たまに活用している」が35.1%)。
20代・30代では約8割がSNSを何らかの形で活用しているのに対し、40代では約4割が「活用していない」と回答しており、世代間ギャップが表れている。

前問で「よく活用している」「たまに活用している」と回答した人に、「営業活動で活用しているSNS」について質問したところ、第1位が「Instagram」で54.9%、第2位が「X」で52.3%、第3位が「Facebook」で35.1%という結果になった。
次いで、「営業活動でSNSを活用する理由」について質問したところ、「コミュニケーションを継続的にとれるので信頼関係を築きやすい」が50.9%でもっとも多く、「お互いの趣味や価値観がわかり、距離が縮まる」(40.8%)、「商談や提案前に相手の情報を収集しやすい」(36.1%)と続いた。
この結果から、SNSは商材を売り込む手段というよりも、関係性の構築や相互理解といったソフトな目的で活用されている実態がわかった。
8割が「SNSから商談につながった経験あり」

「SNSから商談につながった経験はあるか」質問したところ、8割の人が「ある」(80.6%)と回答。信頼構築や情報収集といった準備的機能だけでなく、最終的な成果に結びつくチャネルとしてSNSが一定の役割を果たしていることがうかがえた。
続いて「名刺において“この人とつながりたい”と思わせる特徴」を質問したところ、「デジタル名刺(スマートフォン上で追加情報が見られる)」が39.5%、「顔写真やプロフィール」が37.4%、「SNSアカウントのリンク」が30.2%という結果になった。
続いて「SNSから商談につながった経験がある」と答えた人に、具体的な成功例を質問した。
Q:SNSから商談につながった成功例など、具体的なエピソードがあれば教えてください
- 事業内容をsns(ツイッター)で掲載したところ、多くの評価を得た(広島県/20代/男性)
- 相手が自分のSNSを見つけてくれたのをきっかけにお会いできた(神奈川県/20代/女性)
- 褒めてもらえた。名前を覚えてもらえた(埼玉県/30代/男性)
- 相談件数が前年比で1.3倍になった(静岡県/30代/男性)
- 取引先の人とインスタで繋がり、仲良くなって、受注に繋がった(長崎県/30代/男性)
- YouTube見ましたよと言われ、コミュニケーションが円滑に進んだ(北海道/40代/男性)
- SNSで発信した情報を見てご連絡いただいた会社と契約まで結べた(山形県/40代/男性)
- 興味を持っていただき、フォローでSNS使用(埼玉県/40代/男性)

最後に、「名刺とSNSを連携できるサービスがあれば使いたいと思いますか?」について質問したところ、「とても思う」が34.3%、「やや思う」が45.7%と、8割近くの営業職が利用意欲を示した。
【調査概要】
「営業職の人脈形成とSNS活用の世代比較」に関する調査
調査期間:2025年6月12日~6月13日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,016人
調査対象:調査回答時に20代、30代、③40代の営業職の会社員であると回答したモニター
調査元:研美社
モニター提供元:PRIZMAリサーチ