日経HRは2024年10月初旬から中旬にかけて「日経転職版 新卒に戻って入りたい会社調査」を実施。その結果を発表した。
新卒に戻って入りたい会社ランキング、三菱商事が大差で1位に、2位伊藤忠、3位トヨタ・グーグル
「もし新卒に戻って入り直せるなら、どこに入社したいですか?」という質問に自由形式で企業名を3つまであげてもらい、志望順位や属性にあわせて重みづけをして合計得点の多い順にランキング化した。
1位 三菱商事、2位 伊藤忠商事、3位 トヨタ自動車、グーグル(同率)、5位 三井物産で、トップ5に総合商社が3社入った。とくに、平均年収2,000万円超えで話題になった1位の三菱商事は幅広い年代の票を集め、180点で2位以下に差をつけた。
入りたい理由には「成長性、収入、業務領域ともに大きい(40代、男性、不動産)」「日本経済の要となる企業で、グローバルに事業展開している(50代、男性、専門商社)」など、収入面のほかに事業領域や成長性などを期待する回答がみられた。
新卒に戻って入社するなら重視するものは「仕事内容」「給与」がトップ2 「福利厚生」は下位
「新卒に戻って入社するなら何を重視する?(複数回答、3つまで)」と質問したところ、1位は「仕事内容」で56.1%、2位が「給与」で53.8%という回答だった。このふたつは、転職活動で優先することとしても多くの人があげる項目となった。3位は「職場環境・社風」で42.1%、4位に「スキルの習得・成長機会」で37.9%と続いた。ファーストキャリアの職場環境、スキル習得や成長機会が、その後の自身のキャリア形成に影響することを実感している人が多いといえる。一方で、働き方を見直したい転職希望者が重視する「福利厚生」「有給休暇」などはトップ10に入らなかった。
新卒で入ることができるなら、今の会社に入りますか?「いいえ」が8割 教育や柔軟な配属を求める
「新卒で入ることができるなら、今(離職中の方は前職)の会社に入りますか?」という質問では、「いいえ」が78.5%で約8割となり、「はい」21.5%の3倍超だった。
今の会社に入る理由は、「教育体制が充実」「若くても高いポジションに付ける可能性がある」「ジョブ型雇用が進み、自分の望む職種や部門に就きやすくなった」などがあがった。
一方、今の会社に入りたくない理由は「ワークライフバランスを考慮し業務負荷が軽くなったため、新卒の成長スピードが遅い」「買収による企業カルチャーの変化」など、時代の変化を反映した回答や、「管理職にならないと給料が上がらない給与体系」「成熟市場で発展しにくい」など会社の閉そく感を指摘する声もあがった。
今も憧れている職業 30代「宇宙飛行士」、40代「歌手」、50代「パイロット」
子どものころに憧れていて今も憧れている職業を3つまで選んでもらい、年代別に集計した。上位には、起業家、パイロット、医師、弁護士・裁判官・検察官などがランクインした。
30代のトップは宇宙飛行士。宇宙には「未知なるものを開拓する」(30代、男性、機械・メカトロニクス)魅力があるという声があがった。
40代のトップは歌手・ミュージシャン・演奏家で、「感動を『音』で表現できる部分に憧れた」(40代、男性、専門商社)、「過去の習い事を生かせる」(40代、男性、食品・飲料)などの回答があった。中には「宇宙飛行士は今世では諦めた。歌手、俳優は今でもなりたい」(40代、男性、公社・官公庁・独立行政法人)といった声もあがった。
50代のトップはパイロット。「大きな乗り物への憧れ」(50代、男性、その他)、「飛行機が好き」(50代、男性、精密機器・計測機器)といった回答があがった。
【調査概要】
調査対象:「日経転職版」登録会員
調査期間:2024年10月9日~10月18日
調査方法:日経転職版の登録会員を対象にアンケートをメールで依頼し、ウェブサイトで回答
回答者数:572人(男性78.5%、女性21%、未回答0.5%)
ランキング作成方法:回答者が希望する企業名を1位から3位まで自由形式で記入。順位や年齢等で重みづけをし、合算値の多い順に作成