Magic Momentは、AI時代における営業の未来をテーマにした全7本の論考「AI時代の営業」(以下、「本シリーズ」)を公開した。
概要
本シリーズは、AI技術の活用により営業プロセスを再定義し、洞察と実践的なガイダンスを提供することで、大手企業を中心とした日本の営業組織の生産性向上への貢献を目指している。
執筆者は、Google Japanの営業統括・freeeの営業責任者として実績と営業知見を培ってきたMagic Moment 代表取締役 CEO 村尾氏と、BCGにて戦略研究会の一員として戦略コンセプトの検討・普及につとめてきたMagic Moment 社長室長 谷川氏が、共同執筆者として編纂に携わり、シリーズを通して次の3つの視点で日本の営業組織を取り巻く環境について論じている。
- AI時代に求められる営業組織の思想と要諦
- AIの進化が営業環境(プロセス・組織・テクノロジー)へおよぼす影響
- アウトソーシングで営業変革を行う「Revenue AI BPaaS」という選択肢
1.日本がAI時代に生産性世界一の営業を目指すために
筆者がGoogle、freeeで培った経験を基に、AI時代の営業の姿を考察し、日本の営業スタイルがどのようにAIと共存し、世界一の生産性を実現できるかについて論じる。定型的な業務の自動化が今後ますます進んでいく中で、顧客との長期的な信頼関係を構築する日本本来の営業スタイルこそがAI時代に人とテクノロジーが協調を導く鍵になる。
2.SaaS営業の要諦
営業組織におけるLTV志向の必要性とその導入における戦略的アプローチを提言する。従来型の営業組織と比較し、LTV型営業組織ならではの重要指標や営業プロセスに焦点をあて、顧客エンゲージメントを高め続けるための手法を提示する。加えて、AIの進化に直面する中、いかに効果的に活用すべきかを明らかにしながら、全体的にLTVを志向する企業文化を醸成するためのポイントを提起する。
3.2030年の営業の世界
現状の一般的な営業組織からAI実装が進んだ近未来の営業組織への変遷を迫る。営業プロセスや組織体制、人に求められる要件、ワークフローの未来を中心に解説しながら、営業スタイルやテクノロジーセグメンテーションの未来についても考察する。
4.Sales Techにおける主要トレンドと展望
独自に作成したSales Techカオスマップを基に、Sales Techを取り巻く10の主要トレンドについての考察を行っている。生成AIをはじめとする技術が営業組織に与える具体的な影響と、日本における今後の動向について深掘りし、AIを実装するうえで営業組織が行うべき具体的な取り組みに関する洞察を提供する。
5.Revenue AI BPaaS:AI時代の営業変革ソリューション
グローバル化の進展と情報技術の急速な発展の中で、多くの企業がコスト削減と競争力維持のためにBPOサービスを活用してきた。しかし、BPOの普及にともない、新たな課題も顕在化している。これに対し、BPSやBPaaSの登場によって、新たなソリューションが提供されるようになった。そして、AI技術の進展により、営業活動の価値とアプローチが変わろうとしている。本論考では、BPOサービスの成長と課題、そしてBPS・BPaaSの台頭について解説し、営業領域に特化したRevenue AI BPaaSの可能性に焦点をあてる。
6.Revenue AI Ops:営業プロセスの統合された自動化を実現する仕組み
乱立したITシステムによるデータやシステム管理のサイロ化は営業組織が直面している課題のひとつ。そのような中、ITシステム運用を自動化する「AIOps」の台頭を背景に、営業領域においてもデータの統合・分析基盤の自動運用やオペレーションをもっとも適したかたちにする「Revenue AIOps」が登場している。本論考では、営業プロセス全体の自動化などを実現するRevenue AIOpsについて解説する。
7.RevOps:組織横断的に全体最適化を促す戦略チーム
The Modelの導入が進んだ一方で、営業、マーケティング、カスタマーサクセスの各部門の個別適化が進み、データやオペレーションの断絶による業務プロセスの非効率化が生じている。このような背景の中で、米国では営業、マーケティング、カスタマーサクセスなどの部門を統合する部門「RevOps」が登場している。AI時代においてはデータ駆動型の戦略が求められ、RevOps はその中心的な役割を果たす。この論考では、AI実装の初期ステップとなる業務プロセスの再設計において、役割を果たすRevOps(Revenue Operations)について詳細に解説する。