パーソル総合研究所の営業力強化事業本部は、BtoBの営業担当者と顧客各5,000人を対象とした「10,000人の営業実態調査 2024」の結果を発表した。
営業組織では、顧客の期待に沿った「強化」が行われている傾向
顧客側は「業界や自社の状況を理解し、自社に合った提案をしてくれること」を期待しており(ハイライト部分)、営業側もそうした顧客の期待に応えようとしていることが見て取れる。
ただし、「当社(顧客)が気付いていない視点の提供」のほか、「他社の商品・サービスと比較検討しやすい情報の提供」「費用対効果の明示」などの項目についてはギャップが見られる。
「非分業」「完全分業」「一部分業」、営業課題の比較
営業担当者に組織の課題を聞いたところ、「営業活動における組織間連携ができていない」がもっとも多かった。次いで、「事例の共有、営業ツール化ができていない」「フィールドセールスが前工程や後工程に時間を割かれ、本来業務に集中できない」と続いた。
分業体制別(※)では、「完全分業」のほうが課題を感じておらず、「一部分業」が課題感を持ちやすい傾向が見えた。一方、「フィールドセールスが前工程や後工程に時間を割かれ、本来業務に集中できない」と「営業のシステムやツール(CRM/SFA)が導入できていない」という課題では「非分業」の数値がやや高い結果となった。
※非分業:マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスの機能を組織や担当者で分担しておらず、フィールドセールスがすべてを行う組織
※一部分業:マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスのいずれかの機能の一部をフィールドセールス以外の部署や担当者が担い、分業体制が取られている組織
※完全分業:マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスの機能をフィールドセールス以外の部署や担当者が担い、分業体制が取られている組織
職種別・分業体制別の「はたらく幸せ実感」
職種別の「はたらく幸せ実感」については、「カスタマーサクセス」のはたらく幸せ実感がやや低い結果となった。
各職種を分業体制別に見ると、フィールドセールス以外の職種は一部分業よりも完全分業のほうが、幸せ実感が低い傾向が見られた。フィールドセールスは非分業(フィールドセールスがすべて担うケース)の幸せ実感が低く、分業しているほうが幸福度が高い。
「個人パフォーマンス」への影響が高い職場要因は、「自己裁量」「成長機会」「メンバー同士の協力」である。
「個人パフォーマンス」を高める要因と「はたらく幸せ実感」を高める要因は、職種や分業体制によっても異なる。「はたらく幸せ実感」への影響が高い職場要因は、「プライベートとのバランス」「リーダーシップ」「成果に対する称賛」となった。
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