商談や指導力などコミュニケーションのAI検定を行うコグニティは、上場企業7社・計435人を対象として各社内外での世代間コミュニケーションの差をAIによって検定した結果として「Z世代のコミュニケーション特性 2024」を発表した。
本調査では、ビジネス上のコミュニケーションとして、Z世代のトークが他世代と比較してどのような傾向があるのか、またZ世代に対する上司のコミュニケーションがほかの世代に対するものとどう異なるのかを比較している。
【調査概要】
- テーマ:Z世代のコミュニケーション特性 2024
- 調査対象 :「対象者の年齢」がわかっている7社・計435トーク
<内訳>
不動産系企業3社(大手2社・地方1社)、金融系企業3社(大手2社・地方1社)教育系企業1社(大手1社)
※検定利用時の発注条件として「第4条3項」を了承された企業
<シーン>
対象者と上司との1on1…n=155(平均年齢:対象者40.4歳・上司48.3歳)
Z世代:n=8、Y世代:n=31、X世代以前:n=116
対象者自身のセールストーク(ロールプレイング+実商談)…n=280
Z世代・新人研修対象者:n=144、Z世代以外:n=136
- 調査期間 :2022年8月16日~2023年12月11日までに録音されたデータ
- 調査方法 :CogStructureを使った「COG-VIEW」分析
- 調査機関 :コグニティ
Z世代に対する1on1の時間は「CLOSED質問」の数が42.9%増加
Z世代への1on1では、上司はほかのどの世代相手よりも「CLOSED質問」の数を増やしてしまうことがわかった。CLOSED質問の数は、Z世代27.3回に対して、Y世代に対しては19.1回となっている。Z世代の1on1の時間が平均26.5分であることを考えると、約1分に1回はCLOSED質問をしていることを示している。
Z世代ほど上司との「会話量が少ない」
同じ機会・時間で設定されても、世代が若いほど1on1中の発言量が減ることがわかった。上司の前では若年層ほど「話しづらくなる」ことが明示される結果となった。1on1全体の中での発言割合で見ても、全体の半分を下回るのはZ世代のみ。
Z世代、営業トークではCLOSED質問が不足
一方、Z世代の営業トークは、CLOSED質問で「確認する」ことができていないことがわかった。「買い手」にとって答えやすい質問や、クロージングに向けた具体的な質問ができておらず、曖昧・相手に委ねるOPEN質問に頼るヒアリングとなっていた。
他世代と比較して、「慎重」なZ世代
Z世代の営業トークは、フィラーの数がその他世代の半数だった。そもそも発言量が少ない・発言のスピードが遅いことが影響しているものの、Z世代のトークでの出現率が低いことを示す。一般的には「慣れていない・低成績者」ほどフィラーが多く出現するとされているが、Z世代は発言量・スピードが落ちるだけでなく慎重に言葉を選ぶことで、不必要な語句の出現も抑えられていることがわかった。