キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営するライボの調査機関「Job総研」は、585人の社会人男女を対象に「2023年 女性管理職の実態調査」を実施した。
同調査は女性管理職経験の有無、また経験後の満足度や継続意欲とその理由、さらに管理職(※)未経験者の希望有無や女性活躍へのイメージなどを調査した。
※本アンケートでの「管理職」の定義は1名以上の部下がいる人としている。
調査概要
- 調査対象者:現在職を持つすべての社会人/JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
- 調査条件:全国/男女/20~50代
- 調査期間:2023年8月9日~8月14日
- 有効回答数:587人(男性:女性=6:4)
- 調査方法:インターネット調査
管理職に「希望してなった」女性が約6割
現在管理職の女性46人に、希望して管理職に就いたかを聞くと、「希望してなった」が58.7%、「希望せずなった」が41.3%という結果となった。
同質問の回答を婚姻状態および子供の有無別で見ると、「既婚・子なし女性」が66.7%と最多、次いで「既婚・子持ち」が61.5%となり、既婚女性ほど希望して管理職になった割合が高い結果となった。
管理職を希望した理由、「仕事の幅を広げたいから」が59.3%で最多
希望して管理職になった女性27人にその理由を聞くと、「仕事の幅を広げたいから」が59.3%で最多となった。次いで「収入を上げたいから(48.1%)」「社会的/社内的地位を上げたいから(44.4%)」が続いた。
また、希望せず管理職になった女性19人にその理由を聞くと、「管理職に興味がないから」が47.4%で最多、次いで「ワークライフバランスが崩れそうだから」「責任が重い仕事をしたくないから」が同率で31.6%となった。
管理職を“続けたい派”の女性が約8割
管理職女性の46人に満足度を聞くと、「満足」23.9%、「どちらかといえば満足」54.3%を合算した“満足派”が78.2%で過半数を占めた。一方“不満派”は21.8%となった。
また、管理職の継続意欲を聞くと、「とても続けたい」6.5%、「続けたい」21.7%、「どちらかといえば続けたい」50.0%を合算した78.2%が“続けたい派”の回答をした。一方、“続けたくない派”は21.8%となった。
管理職を続けたい理由、「仕事の幅が広がった」「収入が上がった」など
管理職女性のうち継続意欲があった36人にその理由を聞くと、「仕事の幅が広がったから」が43.5%で最多、次いで「収入が上がったから(41.3%)」「社会的/社内的地位が上がったから(34.8%)」が続いた。
また、管理職の継続意欲がなかった10人にその理由を聞くと、「責任が重いから」が80.0%で最多、次いで「仕事の幅が広がりすぎたから(60.0%)」「年収の増加幅が期待値以下だったから(50.0%)」が続いた。
管理職未経験女性の63.7%が「管理職に就きたいと思わない」と回答
管理職未経験女性179人に管理職に就きたいか聞くと、「全く思わない」22.9%、「思わない」20.1%、「どちらかといえば思わない」20.7%を合算した“思わない派”が63.7%で過半数を占めた。
管理職を希望すると回答した66人にその理由を聞くと、「収入を上げたいから」が75.8%で最多、次いで「仕事の幅を広げたいから(43.9%)」「マネジメント業務に挑戦したいから(39.4%)」が続いた。
女性活躍に必要な施策、「女性が柔軟な働き方ができるような制度」が最多
男性を含めた回答者全体の587人に女性が活躍している状態イメージを聞くと、「雇用形態に関係なく裁量権ある仕事を任される」が44.8%で最多、次いで「意思決定の場に多くの女性がいる(40.0%)」「ライフイベントの有無に関係なく仕事を任される(37.8%)」が続いた。
また、女性活躍に必要だと思う施策をたずねたところ、「女性が柔軟な働き方ができるような制度」が47.5%で最多、次いで「女性が意思決定の場にいる機会を増やす(40.5%)」「男性が柔軟な働き方ができるような制度(35.1%)」が続いた。
回答者自由記述コメント
女性の働き方に関して、政府や企業に対して理解を求めるコメントが顕著であった。
- 女性の数にこだわらず管理職になりたい人を登用していけばいいと思いました。
- 数値目標ではなく男性も含めた支援や平等な環境の外部アピールが重要。
- テレワークや育児支援、メンタルサポートなどの理解ある取り組みがあると活躍の幅も広がる。
- 育休明けに復職しやすい環境や雰囲気作りをしておくと男女ともに活躍できると思います。
- 政府は女性の本音や実態を正確に理解してほしい。非効果的な制度ばかりに注力してる気がする。