日立ソリューションズ・クリエイトは、ハイブリッドワークを推進する中で把握したニーズ、課題の解決に向けて、「企業内における人財交流と社員の知識の流通を加速するためのオンラインサービス」を自社開発し、2023年7月3日から社内での実証実験を開始した。
営業/SE/スタッフ部門の全社員約3,500名を対象に、本サービスが会社を強くするために役立つという仮説のもと、サービスとしての有効性、使いやすさ、利便性について検証していく。
実証実験スタートの背景
日立ソリューションズ・クリエイトは、2016年10月から自社の働き方改革に取り組み、現在では出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を実践している。その中で発生した社員間のコミュニケーション課題を解決するために「仮想オフィス」を自社開発し、社内実証実験を経て、すでに2022年4月に「仮想オフィスサービス」として顧客向けにも提供を開始した。
「仮想オフィスサービス」は職場のコミュニケーションを活性化し、リモートワークでも出社と同じような臨場感を共有できるといった点で有効だが、「社内の有識者を見つけたい」「縦割り組織の壁を越えて、組織横断でスキルを伝えたい」というニーズも存在することが仮想オフィス導入によりわかった。
この新たなニーズに応えるため、同社は「企業内における人財交流と社員の知識の流通を加速するためのオンラインサービス」を自社開発した。
本サービスは、面識のない社員同士が組織を越えてつながるチャンスを創出し、安心して相談、問い合わせができる環境を提供する。本サービスの活用により、社員の業務効率やエンゲージメントが向上し、会社を強くすることを目指していく。
サービスの特徴
- 既存の社員データベース(資格情報など)をベースに、業務で日々利用しているメールやチャットから事前に登録したキーワードを抽出、収集、蓄積することで、独自の人財データベースを作成、常時更新する。
- キーワード抽出の過程で同社のAI技術を駆使することにより、精度の高い有識者データベースを構築、維持している。
具体的な利用の流れ
1. 有識者を瞬時に検索
利用者(課題や相談したいことがある社員)は、社内イントラネットから本サービスにログイン、キーワードを指定して有識者を検索
2. 有識者を選択し、相談を打診
検索によりリストアップされた有識者の候補から、相談したい有識者を選択して相談を打診
3. 有識者による、対応可否の回答
打診を受けた有識者は、相談を受ける/受けないを回答
4. 気軽に相談
打診が受け入れられれば、利用者は同じ画面からすぐに質問(相談したいこと)を入力
5. 同じ画面で完結
有識者から回答があれば、追加質問などの対話も同じ画面で継続可能
社内実証実験の概要
日立ソリューションズ・クリエイトは、本サービスの社内実証実験を通じて、現場の社員の課題解決を支援することが結果的には会社を強くする組織という大きな成果につながるという仮説を検証していく。そして、その結果を踏まえて、同じような悩みを抱える顧客の課題解決に向け、本サービスの事業化を目指す。