グッド・エイジング・エールズが事務局を務めるwork with Pride 2022 実行委員会は、実行委員会参画企業の従業員2万5,068名を対象に「LGBTQ+に関連した職場・制度への意識調査」を実施。その結果を発表した。
調査結果
LGBTQ+の人たちが直面する問題や社会の不平等を解消しようとする取り組みに関心があるかたずねた。その結果、「とても関心がある」「どちらかというと関心がある」を合わせた計59.4%が「関心がある」と回答。年代別では10代・20代の若年層で、職位別では「経営者・役員」で、関心がある割合が多い傾向があった。
自身のことを「アライ(LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人)」だと思うかたずねた。その結果、9.0%%が「はい(アライだと思う)」、66.0%が「行動はしていないが、LGBTQ+をサポートしたい気持ちはある」と回答。計75.0%が、サポートしたい気持ちがあることが分かった。
普段行っていること・心がけていることをたずねた。「『ホモ』『レズ』『オカマ』という言葉は避けるようにしている」(48.7%)がもっとも多くなった一方、「『パートナー』などジェンダー中立的な言葉を使うようにしている」のは12.0%という結果になった。また、44.0%が「特になし」と回答した。
同性婚の法制化(婚姻の平等)について賛否をたずねた。その結果、「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせた計66.2%が「賛成」と回答。年代別では10~30代がもっとも賛成の割合が多く、7割を超えた。
職場への評価をたずねたところ、「企業のトップがダイバーシティ&インクルージョンに関するメッセージを発信している」(75.9%)がもっとも多くなった。一方、「LGBTQ+の人たちが働きやすい職場だ」は44.8%、「安心してカミングアウトできる雰囲気がある」は32.9%という結果になった。
LGBTQ+当事者と非当事者で職場への評価を比較した。全項目において、LGBTQ+当事者の回答者のほうが非当事者よりも評価が低く、企業への評価にギャップがあることが明らかになった。
LGBTQ+当事者を対象に、項目に挙げた制度・サポートを職場で利用しやすい状況かたずねた。その結果、全項目で「制度・サポートが存在しない/あることを知らない」の割合が多くなる結果となった。
制度・サポートを利用しづらいと答えたLGBTQ+当事者に、その理由をたずねた。「どの範囲まで自分の性自認や性的指向が開示されるか分からなかったから」(58.4%)がもっとも多く、「制度利用にあたり、カミングアウトする必要があったから」(51.9%)が続いた。
LGBTQ+当事者を対象に、職場で困っていることをたずねた。「何でも異性愛や性別二元論を前提としていること」(37.5%)がもっとも多く、「異性愛者のフリをするなど、プライベートのことが話しづらいこと」(32.3%)、「LGBTQ+が笑いのネタになること」(27.5%)、「自分が安心して相談できる人が職場に見当たらないこと」(25.7%)が続いた。一方、35.8%が「特になし」と回答した。
自由回答
- 入社前の私の知らないところでアウティングされていたこと
- 人事評価に影響があるのではないかという心配
- 同性パートナーを想定した商品をつくらないこと
- 基本そっとしてほしい
- 男性社員として産休を取得することになった場合迷惑だと思われないかということ
LGBTQ+当事者として企業に伝えたいこと
L/G/B/T以外の性のあり方への理解
- すべての人が恋愛感情をもっているという前提で話さないでほしい
- L/G/B/T以外も研修で触れてほしい
- すべて男女の二元論でわけないでほしい
制度・福利厚生の拡充に対する期待
同性カップルに対する福利厚生の充実化を図ってほしい。現状では同性のパートナーと共に転勤や社宅の利用ができないため、ライフプランが立てにくいと感じる。
民間企業として社会への働きかけを期待
- 法や制度が整備されていなくても、少なくとも会社には包摂してほしい
- 大きい企業なので、同性婚に賛成し、それを表明してほしい
- 当事者にとって生きやすい会社でいてくれることが、この会社で働く大きな理由になっています。会社からLGBTQフレンドリーであるという声明を出してくれていることが当事者としては大きな心の支えです