エヌエヌ生命は、新型コロナウイルス感染症の影響による資金需要と、コミュニケーションやIT通信機器の導入について中小企業経営の実態を把握するため、全国の中小企業経営者7,229名を対象に「コミュニケーション・IT通信機器導入」に関する調査を実施。その結果を発表した。
調査概要
- 調査対象:日本全国の中小企業経営者
※従業員300人未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)または従業員のいる自営業者
- サンプル:全国7,229名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査会社:マクロミル
- 実施時期:2022年9月30日~10月3日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合がある。
※上位5都道府県の算出には小数点第3位以下を含めた数値を反映している。
調査結果
新型コロナウイルス感染症の影響で資金需要が発生したかたずねた。その結果、39.1%が「発生した」と回答した。
都道府県別に見たところ、「資金需要が発生した」と答えた割合は大分県(53.2%)がもっとも多く、熊本県(52.7%)、長崎県(49.3%)と続いた。
「資金需要が発生した」と回答した2,830名を対象に、実際に利用(活用)した資金調達方法についてたずねた。「持続化給付金(経済産業省)」(55.9%)がもっとも多く、「新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)」(38.6%)、「自治体の協力金・見舞金」(18.5%)と続いた。
社内向けの飲み会やゴルフなど業務時間外でのコミュニケーション機会の希望頻度をたずねたところ、「なし」(42.8%)がもっとも多くなった。社外向けの業務時間外コミュニケーション機会の希望頻度についても、「なし」が47.5%で最多となった。
都道府県別で見たところ、社内の業務時間外コミュニケーションの希望する頻度で「なし」と回答した割合は香川県(65.4%)がもっとも多く、静岡県(56.1%)、佐賀県(54.8%)と続いた。社外の業務時間外コミュニケーションの希望する頻度で「なし」と回答した割合は青森県(64.5%)がもっとも多く、福井県および香川県(57.7%)が続いた。
業務時間外コミュニケーションの希望する頻度について、「週に1回、またはそれ以上」「2週間に1回」「1ヵ月に1回」「3ヵ月に1回」「6ヵ月に1回」「1年に1回」のいずれかを回答した、「1年に1回以上実施したい」の回答率を都道府県別にみると、「社内」では沖縄県(78.7%)がもっとも多く、「社外」では山梨県(69.2%)がもっとも多くなった。
社内および社外との連絡ツールとして「電話」「FAX」「Eメール」「チャット」「オンライン会議」を利用しているかたずねた。ツールとしてもっとも利用されていたのは「電話」で、「社内」向けで75.5%、「社外」向け利用で85.3%という結果になった。また、「FAX」(社内:32.6%、社外:55.9%)、「Eメール」(社内:52.5%、社外:69.1%)、「オンライン会議」(社内:22.3%、社外:25.6%)が社内よりも社外向けに利用されていた一方、「チャット」(社内:40.3%、社外:33.1%)は社内での利用が多い傾向が見られた。
都道府県別に見たところ、「社内連絡でチャットを使っている」と答えた割合は沖縄県(55.7%)がもっとも多く、長崎県(47.9%)、鹿児島県(46.3%)と続いた。
「PC」「スマートフォン」「タブレット」のIT機器の支給状況をたずねた。全員への支給率はPC(34.9%)がもっとも多くなった。一方、43.0%の中小企業経営者が「PCを全く支給していない」と回答した。
都道府県別に見たところ、PCを「全員に支給している」と答えた割合は東京都(48.2%)がもっとも多く、神奈川県(44.4%)、奈良県(41.9%)と続いた。
電子上で取り交わす「電子契約・電子署名」と紙で取り交わす「印鑑・署名」、どちらが信用できると思うかたずねたところ、52.1%が「どちらも同じくらい信頼できる」と回答した。一方、42.2%が「印鑑・署名が信用できる」と回答した。
都道府県別に見たところ、「印鑑・署名が信用できる」と答えた割合は石川県(57.7%)がもっとも多く、山梨県(53.8%)、高知県(53.5%)と続いた。
ITソフト・サービスを導入している活動をたずねたところ、「財務会計」(31.4%)がもっとも多く、「営業資料の作成」(14.8%)、「販管管理」(13.7%)と続いた。一方、54.4%が「特にない」と回答した。
導入していると答えた中小企業経営者3,294名に理由をたずねた。「業務管理のしやすさのため」(62.2%)がもっとも高く、「従業員の生産性向上のため」(38.7%)、「取引先の要請のため」(18.9%)と続いた。