日本オラクルは、患者データの統合とより良いサービス提供を目的に、公平病院が日本オラクルのCXクラウド・サービスを導入したことを発表した。
がん・糖尿病領域に軸足を置きつつプライマリ・ケア全般を提供する公平病院。2021年8月末にはコロナ専門病院を運営するなど、地域が抱える課題に対して医療を通した社会貢献を行う地域密着型の小規模病院である。
従来型の病院の課題であった「患者データの分散」を脱却し、患者の医療・介護・健康データであるPHRを統合・活用したより良いサービスを提供することを目指して、今回、日本オラクルのクラウド・サービス「Oracle Advertising and Customer Experience (CX)」製品群の「Oracle Service」および「Oracle Sales」と、そのひとつの機能である「Oracle Customer Data Management」を導入した。
各製品の活用方法
Oracle Customer Data Managementが提供する「名寄せ機能」により、それぞれのシステムに分散して登録されている患者データから同じ患者の情報を集約。同じ人が複数登録される問題を防止する。また「データ・クレンジング機能」により、住所や電話番号などの表記の揺れなどを自動で修正し、データの品質を高める。
こうした処理を、Oracle SalesおよびOracle Customer Data Managementの活用により、外部のソリューションを用いることなく一元的に実行するほか、手作業での対応を最小限に抑え、迅速に名寄せやデータ・クレンジングを実現することができる。
患者データの一元化により、患者から問い合わせがあった際、各々のシステムに個別にログインすることなく、迅速に必要な情報を把握することが可能になる。また、チャットやメールでの問い合わせにも一元的に対応できる患者情報を中心としたデジタル基盤への整備や、患者自身で日々の健康管理などを行える仕組みをウェブサイト上で提供する仕組みの構築も行っていく。
公平病院では、これらの取り組みによって医療DXを推進すると同時に、医療に関わる情報を集約して管理するPHRの実現を目指す。