ワークポートは、全国のビジネスパーソン449名(20代~40代・男女)を対象に職場のパワーハラスメントの実態に関するアンケート調査を実施した。
パワハラ「受けたことがある」が66.6%
勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でパワハラを受けたことがあるかを尋ねると、66.6%の人が「受けたことがある」と回答した。
パワハラ対策 1位は「転職・退職」2位は「我慢」 泣き寝入りの現状
パワハラを受けたことがある、を選択した回答者を対象にパワハラを受けたときにどのようなアクションを行ったかを尋ねると、72.9%が「転職・退職を考えた(転職・退職をした)」と回答。次点で「誰にも相談せず我慢した」が36.8%と続き、職場内の解決が望めず泣き寝入りする被害者の様子がうかがえる結果に。なお、「上司に相談」は20.1%、「職場の相談窓口(部署)に相談」は13%であった。
暴言・侮辱など言葉による「精神的な攻撃」が1位
具体的にどのようなパワハラを受けたかを尋ねると「暴言・侮辱(言葉の攻撃)」は74.2%と最多で、「暴行、傷害(身体的な攻撃)」は8%であった。
また、上位には「過剰な業務・過酷な業務の強制」が45.8%、「能力を過小評価する・成果を認めない」が45.2%と挙がったほか、「無視・仲間はずし」が27.8%、「プライベートへの介入」が26.1%、有給取得の拒否、福利厚生の使用拒否など、「労働者の権利侵害」が22.7%、「業務をさせない・あたえない」は22.4%の回答が集まった。
4割超が「パワハラを受けたことはないが、見聞きしたことはある」
現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でパワハラを受けていないと回答した150名を対象に職場でパワハラを見聞きした経験の有無を尋ねると、42%が「見聞きしたことがある」と回答。パワハラを受けた人と合わせると、約8割が職場でのパワハラの存在を認知していることがうかがえる結果に。
パワハラ防止策 6割以上が「不満」 形骸化を嘆く声
現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)がパワハラ防止に「取り組んでいる」と回答した対象者に取り組みへの満足度を尋ねると、「まったく満足していない」が25.5%、「あまり満足していない」が35.7%と計61.2%が対策に不満を抱えていることが明らかに。
満足していない理由例
- 「通報後の措置が不十分だった」(20代・男性・教育)
- 「誰が何を相談したかが噂になっていた」(40代・女性・システムエンジニア)
- 「パワハラしている本人が教育を実施している」(40代・男性・製造)
「立場に忖度することなく処罰の厳格化や明確化を」
現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でパワハラ防止に「取り組んでいない」と回答した対象者に、どのような対策をしてほしいかを尋ねると、「相談窓口の設置」「パワハラが起こりにくい風通しの良い職場環境づくり」などの意見が挙がったほか、「罰則の厳格化」「人事異動」など、直接的な対策の実施を希望する声も。
- 「パワハラ防止策」の希望例
- 「部下が上司を評価する制度」(40代・女性・事務)
- 「事実調査をきちんと行ってほしい」(40代・女性・クリエイター)
- 「パワハラになる行為の事例を定期的に周知」(男性・30代・事務)
パワハラ防止措置義務化に「期待できない」7割越え
調査対象者全員に「中小企業のパワハラ防止措置義務化により、どの程度パワハラが改善されると思うか」を問うと、「まったく改善されないと思う」が25.2%、「あまり改善されないと思う」が49.9%と、計75.1%が「期待していない」旨を回答した。
調査概要
- 調査対象者:全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)
- 有効回答:449名
- 調査期間:2022年3月3日~7日