リクルートは、東京都在住の会社員を対象に、地方移住および多拠点居住の考え方についてアンケート調査を実施した。調査結果の詳細は、次のとおり。
46.6%が地方や郊外への移住に興味があると回答
東京都内在住の会社員に対して地方や郊外への興味について確認したところ、46.6%の人が「興味がある」と回答した(「とても興味がある」11.5%、「興味がある」35.1%)。「興味がある」と回答した1,156人では、年代間の回答傾向に大きな差異はなく、年代の違いに関わらず一定数の人が、都内から地方や郊外への移住に関心があることがわかる。「興味がある」と回答した1,156人が想定している都心までの所要時間は「都心まで1時間から2時間」が43.3%、「都心まで1時間程度以内」が31.8%だった。
また、地方移住に興味がある人に、検討のきっかけと新型コロナウイルスの感染拡大との関係を質問したところ、「新型コロナの影響で、テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため、地方や郊外への移住に興味をもった」がもっとも高く(43.4%)、時間や場所を選ばない働き方の浸透が、人々の住まいへの意識に影響していると考えられる。
移住実現時期と取り組み内容 「将来的に実現したい」が46.5%、具体的な取り組みは情報収集が最多
地方・郊外への移住に興味がある人に、具体的な実現時期と現在の取り組み内容を確認した。実現時期については、「すぐに」「1年以内」「3年以内」のように具体的な時期を回答した人は35.6%。もっとも多かった回答は「時期はわからないが将来的に実現したい」(46.5%)となり、一定数の人は興味があるが「実現したいとまでは思っていない」(17.9%)と考えていることがわかった。
具体的な取り組みでは、すでに移住先が確定していたり実際に居住候補の地域を訪れていたりする人が15.0%。また、情報収集を進めている人は26.6%だった。なお、地方や郊外の移住に興味があるが、まだ具体的に実施していることはない人は58.5%となった。
地方・郊外への移住、64.0%が仕事面に不安 具体的な心配事はテレワークに関するものが目立つ
地方や郊外への移住を検討するにあたっての不安や心配事を4つの観点から確認したところ、もっとも多かったのは仕事面(64.0%)だった。それに続き、経済面(56.7%)、環境面(47.6%)、住宅面(42.2%)という結果となった。
地方や郊外への移住を検討するにあたって、現実的にネックになっていることや障壁になっていること(フリーコメント)
- 完全テレワークでないと、近郊しか移住先として考えられない(48歳/IT系エンジニア)
- コロナが終息して通常出勤が一般的になってしまった場合に生活を継続できないのではないかという懸念( 40歳/事務系専門職)
- 夫はテレワークだが私はそうでないので、そのような仕事がみつかるかどうか(26歳/接客・販売・店長・コールセンター)
- リモートワークが当たり前になったとはいえ、週に1、2回は出社を求められる状態であり、今後コロナが落ち着いた際にはさらに出社が増える可能性も排除できない(25歳/事務系専門職)
- 配偶者や子どもたちなど、家族の同意を得るのが困難(49歳/事務系専門職)
- 移住に興味はあるものの、いざ何から始めたらいいのかわからない(28歳/営業職)
調査概要
- 実施期間:2021年8月10日(火)~18日(水)
- 調査対象:20歳~59歳の会社員で、調査時点で東京都在住の人 ※現在の職種(5区分)および年代(4区分)で割付を実施
- 回答者数:2,479名
- 調査方式:インターネット調査