NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、社内における情報の検索や、社外の顧客からの質問への回答をAI(人工知能)が行うサービス「COTOHA Search Assist」の提供を開始した。
同サービスのAIは、NTTグループのAI関連技術「corevo(コレボ)」の機械読解技術を活用。話し言葉のような自然な文章で入力された質問を理解することができるため、利用者がウェブブラウザから自然文で質問を入力すると、アップロードされたドキュメントの全文をファイル横断で検索し、質問の意図に合致した答えを提示する。
また、ウェブブラウザから、顧客企業ごとに設けられたURLにアクセスし、管理部門やヘルプデスクのスタッフなどが既存の業務マニュアルなどのドキュメント(Word形式、PPT形式に対応)をアップロードすると、AIが書かれている内容を読解して取り込む。質問の答えに相当する情報が記載されている箇所を提示することができるため、FAQ(よくある質問)などの準備は不要に。質問に含まれるキーワードを用いる検索サービスに比べ、的確な回答を提示することができるという。
なお、ウェブ上で利用できるため、社外の顧客からの質問に回答するために活用してすることもできるとのこと。
同サービスの特徴は次のとおり。
AIが文意を理解 キーワード検索よりも的確な回答を提示
NTT研究所が開発した、文章の構成(章立て・見出しなど)を把握することが可能な機械読解技術を活用。これにより、質問文についても、質問に回答するために取り込んでいるドキュメントについても、その内容を理解することが可能。
たとえば、「異動したあとに必要な手続きは?」と質問すると、社内システムの設定マニュアルや、名刺の発注に関する文書など、複数のドキュメントの中から該当する章を探し出し、手続きが記載されている箇所を提示することができる。単純に「異動」「手続き」のキーワードが含まれたドキュメントを検索するよりも、的確に絞り込まれた回答が提示されるため、素早く答えにたどり着くことが可能だという。
FAQ不要 既存のドキュメントをアップロードするだけで利用が可能
同サービスでは、文章の中から回答を探し出すモデルを学習させたエンジンを用いており、既存のドキュメントをアップロードするだけで利用することが可能になる。
また、一般的な回答検索サービスを導入する際に生じる、FAQ形式のドキュメントを用意する手間が削減できるだけでなく、FAQではカバーできないような頻度の低い質問にも対応することができるとのこと。
使うほどに精度が向上
質問された内容と提示した結果の記録、および結果に対する質問者の評価を蓄積し、AIが自動で学習。使えば使うほど検索精度が自動的に向上し、“調べもの”に対してより的確な回答を提示できるようになる。
利用料金など
- 初期費用:無料
- 月額料金:50万円(税抜) 初月無料
- 利用ID数:100 IDまで
- ドキュメント容量:5GBまで(ファイル数は500まで)
今後は、対応するファイル形式の追加(PDF形式)や、プランの追加(対象ID数、ドキュメント容量、ドキュメント数の拡大)を予定している。