福岡発AIベンチャーのグルーヴノーツは、西日本シティ銀行のテクノロジーアドバイザーとして参画し、2019年10月から12月にかけて、クラウドAIプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を活用した実証実験を開始したことを発表。
グルーヴノーツが開発・提供する「MAGELLAN BLOCKS」は、機械学習・深層学習と量子コンピュータを活用して、高精度な未来予測から組合せ最適化まで実現するクラウドサービス。第1弾の取り組みでは、西日本シティ銀行営業店の業務の効率化および高度化に向け、社内問い合わせ対応と来店客数予測においてAIを活用する。両社は、今回の実証を経て、本業務へのAI適用に向けた課題の洗い出し、導入を進めるともに、同行内の他の業務への検証を検討していく。
(1)営業店からの問い合わせ対応業務をAIで効率化
質問内容が多岐にわたり複雑かつ専門的で、もっとも頻度の多いローン商品に関する問い合わせ対応業務に、AIを活用。これにより本部の業務省力化や、営業店でのチャットボット活用による顧客対応の迅速化など顧客接点の充実を目指す。
(2)営業店への日々の来店客数をAIが予測
過去の来店客数実績をもとに、天気・気温・降水量といった気象予測データなどの外部データも活用しながら、AIで日々の来店者数を予測。窓口の待ち時間短縮に向けた営業店の適切な受入態勢の構築や、営業時間の見直しなど、店舗運営を高度化し、お客さまの利便性・満足度向上に向けた施策検討につなげる。
金融業へのAI導入事例(一部)
▶︎ATMの利用頻度の予測
各店舗のATMがどの程度の頻度で利用されるかを予測し、ATMへの現金の補充時期を効率化。
▶︎成約率の高い見込み顧客の予測(BBM、Behavior Based Marketing)
無作為にDMを送るのではなく、AIにより対象の商材サービスに興味を持ちそうな見込み顧客を分類予測。DM発送にかかるコスト削減や、機会損失を防止し、効果的なダイレクトマーケティングを実現。
▶︎ローン審査モデルの構築
ローン契約締結に至るパターンや確度を解析し、審査プロセスの自動化を推進。