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「ホテルをつくり続けること」と「囲い込み」 リゾートトラストの営業力をチェック!

 「売るモノをつくり続ける」ことが、最強の営業力ということだろう。ホテルを新たに建設・開業しては、その会員権を販売する。リゾートホテル会員権販売のリゾートトラストの営業力を分析してみた。

ホテルをつくり続けることは最強の営業力であるワケ

 リゾートトラストの主力事業は、会員制ホテルの会員権販売・運営である。富裕層向けビジネス、といっていいだろう。福利厚生事業として会員登録をする法人も少なくないようだ。

 「エクシブ」「ベイコート」「サンメンバーズ」といったブランドで展開するホテル数はおよそ50、合計客室数は6,923室である。収容可能人数は年間877万7,632人で、実際の利用者は316万6,534人だった。ゴルフ場の会員などを含めれば、会員数は17万8,815人である(いずれも19年3月期)。

 ローマ数字の14である「XIV(エクシブ)」を由来にしているように、会員は1室を14人で共有するのが基本。宿泊利用は1会員当たり年間26泊(365日÷14人)である。

 28人(13泊)や30人(12泊)で共有するタイプも用意。会員権価格も数百万円から数千万円までと幅広く、同一施設内でもルームタイプによって価格が異なる。

 高価格帯ブランドは「ベイコート」。同社のホームページによれば20年に開業予定の「横浜ベイコート」の会員権は、1,000万円~4,000万円である。

 なぜ、ホテルをつくり続けることが最強の営業力なのかといえば、会計処理とも関係する。

 ホテル会員権の売上高は「登録料」と「不動産等に係る所有権部分(不動産部分売上)」からなるが、売上高に計上する時期はまったく異なる。登録料は契約時、不動産部分についてはホテルオープン時の計上である。

 金額の割合も異なっており、登録料は全体の20%、残りは不動産部分というのが目安のようだ。

 つまり、会員権価格の大部分を占める不動産部分については、ホテルが実際にオープンしなければ売上高に計上できないということ。オープン時までは登録料以外の入金がない、というケースもあり得るだろう。

 会員権事業の売上高は、新規ホテルのオープン時期によって大きく変動する可能性がある一方で、会員権が完売して次に売るモノがないとなれば事業の停滞は必至である。会員制ホテルの新設を、途切れさせるわけにはいかないのだ。

 「開発計画立案→土地購入→工事着工→完成」という流れで開業に至る。計画立案から完成までは時間を要するだけに、スケジュール管理も最重要課題のひとつになる。ちなみに、リゾートトラストの場合、会員権の販売は工事着工に合わせてスタートする。 

 実際、リゾートトラストは新規のホテル建設・開業を、急ピッチで進めてきたといっていいだろう。

 1973年に宝塚エンタープライズとして出発。1986年に現在の商号に変更した同社は、熱海や鳥羽、白浜、軽井沢、淡路島、山中湖などリゾート地を中心に会員制ホテル網を拡充。2008年には都市型の「東京ベイコート倶楽部」を開業した。

 近年では「エクシブ箱根離宮」「エクシブ有馬離宮」「エクシブ軽井沢&SV&パセオ&SVムセオ」「エクシブ湯河原離宮」「エクシブ六甲サンクチュアリ・ヴィラ」「芦屋ベイコート倶楽部」「ラグーナベイコート倶楽部」などをオープン。

 20年には横浜市のみなとみらい地区に、会員制の「横浜ベイコート倶楽部」と、会員制ではないラグジュアリーホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」というふたつのホテルを開業する。建設工事着手は17年10月、総投資額は458億円。合計客室は284室、収容能力は年間13.9万人である。

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