顧客の利益最大化にコミットする「引き算と足し算」
小池氏は、営業モデル変革の全体像を「支援手法の定義×攻略先の定義=構造改革の手法」と表現した。「我々が実現すべきは、顧客の事業利益最大化にコミットすることです」と小池氏。「得意先の利益最大化実現に向けた取り組み」について、まず顧客のトップマネジメント層に対し、経営課題に対するオファリングアプローチを実施しているという。
「複数サービスを束ねる形で、顧客の利益最大化を実現する大型プロジェクトを共に創り上げていくのです。サービスは約500種類のソリューションで構成されますが、現在はそれらを精査し、オファリングに寄与するものに再構成しているところです。このような形で、支援手法と攻略先をかけ合わせながら、営業モデル変革を実施しています」(小池氏)

トップマネジメント層へのオファリングアプローチでは、事業構造を最適化するコスト削減・効率化を目的とした「引き算」を行い、そこで生まれたリソースを未来への投資に回していく「足し算」により、新たな収益の創出につなげる。
たとえば営業活動の場合、「業務のBPR」や「AI活用支援によるプロセスの合理化」などが引き算の支援に相当し、「営業DXによる販売機会の最大化」などが足し算の支援となる。

「我々は従来のサプライヤーという立場から、変革に必要な人材リソースと、成果向上に必要なデータ活用力の機能を提供する『サービス事業者』へと移行し、得意先の事業変革に伴走するパートナーになります」(小池氏)
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受注実績208%増 マーケと営業が伴走する「WEB創注活動」
ふたつめの「効率的な顧客接点の維持・新規窓口の開拓」では、営業コストをかけず効率的に販売活動を展開するため、ソリューションの棚卸・改革と並行し、デジタルチャネルを通じた販売活動強化の取り組みとして「WEB創注活動」を進めている。

「WEB創注活動」は、その名のとおりWEBを通じて引き合いをつくり、マーケティングと営業が連携して受注につなげる取り組みだ。当初はデジタルマーケティング部門の一部において、オウンドメディアと広告の展開、MA機能の導入、インサイドセールス(IS)の導入からスタートした。
この取り組みが戦略部門や営業組織に評価されてほかの部門にも波及し、CMSの導入、運営基盤の拡張、運営体制やナレッジの横展開と拡大。現在はTOPPAN全社への展開に至っている。
成果面でも、2021~2024年度の間でアクセス数実績が588%増、コンテンツ数が552%増、受注実績が208%増といずれも堅調に推移し、効率的な顧客接点の維持や、新規開拓への貢献につながる活動となっているという。

全社展開の拡大を進める一方で、とくにマーケティングDX事業では、デジマ施策と事業PR活動を連動させ、事業認知とターゲットリードの獲得を同時に推進している。そこで訴求する内容は「ソリューションではなく事業を売る」というもので、伴走しているお客様やTOPPANの強みである“人財”にフォーカスして設計されている。

また販売体制についても、2025年度からデジタルセールス機能が事業・営業部門の中に組み込まれ、マーケティングとセールスで共通の販売戦略を共有し、販売活動を事業拡大へコミットさせるための取り組みを強化している。営業ツールも、ISの商談の質を上げるために生成AIを活用し、仮説商談および提案の「型」化を推進中である。「質の高い商談に再現性を持たせることで、商談化率が15%アップするなど、営業プロセスの改善に貢献しています」と小池氏は成果を語る。
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