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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

[完全版]カスタマーサクセス組織立ち上げガイド

ひとりでカスタマーサクセスを立ち上げる方法 まずは「カスタマーイシューレポート」をつくろう!

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 ある日、たったひとりでカスタマーサクセス(CS)組織を立ち上げることになったら、あるいはCS組織の改革を推進することになったら——。筆者が所属するOneBoxは2020年3月からCS支援を手がけている。筆者自身も50社以上のCS組織の立ち上げに伴走し、1,000名以上のCSパーソンと対話してきた。本連載では、筆者が蓄積してきた知見をもとに、CSの立ち上げから組織化までにやるべきことをガイドする。

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「カスタマーサクセス組織化」の前にやるべきこと

 カスタマーサクセス組織の立ち上げに必要な人材とは、どのような人材だろうか。当社が提供するCS BPOサービスの顧客にヒアリングすると、「カスタマーイシュードリブンでコンサルティングと営業、両方ができるプレイヤー」というリクエストがよく挙がってくる。

 まず、カスタマーイシュードリブンとは、カスタマードリブン(顧客起点)とイシュードリブン(課題起点)を組み合わせた言葉だ。「顧客の事業成長におけるボトルネック(イシュー)は何か?」を起点にしたビジネスアプローチで、顧客ごとのビジネスモデルや収益構造、提供価値を深く理解したうえで、各社ごとにカスタマイズした解決策を実行することが求められる。

 カスタマーイシュードリブンは、顧客からの要望の背景に潜む“真の課題”を見極め、解決に導くためのアプローチを全方位から図ることで、顧客の事業成長そのものに寄与できる極めて価値の高いアプローチだ。

 実際に、筆者が見てきた優れたCS組織は、カスタマーイシュードリブンを土台に、次のような組織化と成長の軌跡を描く。

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 自社と顧客を大きく成長させ、CSの組織化を成功させるためには、まずは自分自身がひとりめのCSとして「カスタマーイシュードリブンでコンサルティングと営業の両方ができる一人前のプレイヤー」になることが求められることを伝えたい。

ひとりめCSパーソンの行動・数値目標を設定しよう

 では、どのようにすれば、「カスタマーイシュードリブンでコンサルティングと営業の両方ができる一人前のプレイヤー」になることができるのか。筆者が考える一人前のCSパーソンとして達成すべき行動・数値目標は、次のとおりだ。

(1)カスタマーイシューレポートを運用する

 まずは顧客の事業目標、現状の課題、その原因を一元管理する「カスタマーイシューレポート」を作成・運用し、顧客が「何に困っているか」を可視化。「課題解決」のための土台を整える。

(2)顧客単価が2倍以上になった成功事例をつくる

 レポートで見えた課題に対し、徹底的に提案と伴走を行う。単なる満足度向上ではなく、課題解決の結果としてアップセルやクロスセルにより顧客単価が2倍以上となった成功事例を1件つくり出す。

(3)顧客単価アップ事例を体系化する

 (2)で生まれた成功事例を分析。「どのような課題を持つ顧客に、何を提案すれば単価が上がるか」を体系化した「提案メニュー(お品書き)」を作成する。CS組織内の再現性が高まるのはもちろんのこと、事例をまとめた資料自体が社内外を問わず強力なコミュニケーションツールとなる。

なぜ「顧客単価2倍」を数値目標にするのか?

 数値目標を「顧客単価2倍」とするのには筆者なりの根拠がある。2倍という数値は細かな分析をしなくても経営指標の改善につながる数値だ。少ない人員で分析に汲々とするよりも具体的な数値を追いかけていったほうが組織が前に進みやすい。また、これまで多くの企業を支援してきた実績をもとにした相場感としても、2倍という目標は再現性を持って達成できる上限に近い

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 ここまではCSの組織化以前に、ひとりのCSパーソンが達成すべき行動・数値目標だ。逆に言えばひとりめのCSが上記を達成できない限りはCSを組織化してはいけない。

次のページ
カスタマーサクセスの組織化で直面する3つの課題

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この記事の著者

OneBox株式会社 取締役 鎌田 貴史(カマダ タカフミ)

 釧路高専、長岡技術科学大学卒業。在学中にプログラミング教育事業を立ち上げる。その後、OneBox創業初期にWebディレクターとして従事。フラー株式会社ではデータエンジニア・BIアナリストとしてSaaSの新機能リリースに貢献し、副業でデータ分析基盤開発を支援。第二創業期のOneBoxに戻り、カスタマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7889 2025/12/18 07:00

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