現場から戦略企画へ 次なる「ものづくり」への挑戦
──今後はどのようなことに挑戦したいですか。
今回の取り組みが評価され、2024年10月に「配配メール」の製品戦略課へ異動し、2025年4月からはメール共有管理システム「メールディーラー」や「配配メール」などの事業戦略を策定する戦略企画課に異動しました。
これまでは目の前のお客様対応が中心でしたが、現在は長期的な視点でカスタマーサクセスの戦略を考えています。営業部門や製品戦略部門とも連携し、売上向上や製品の長期利用につながる方法を検討する機会が増えました。
今回の経験も活かし、「お客様に長く使っていただく」というカスタマーサクセスのミッションに、今後も向き合っていきたいと思っています。お客様の困りごとを解決しつつ、それが弊社の売上にもつながるような、「みんなが嬉しい状態を実現する“ものづくり”」を、これからも続けていきたいですね。

まずはAIと「30分」壁打ちしよう 今日から始める業務改善
──「AIを活用して業務生産性を高めたい」と考えている方が増えています。最初の一歩として、何から始め、具体的にどう行動すべきか、河辺さんの視点からアドバイスをいただけますか。
本当に最初の一歩としては、自分のプライベートな悩み相談などを、まるで人と話すようにAIチャットに投げかけてみることです。AIへの心理的な「壁」をなくすことから始めるのが良いと思います。とくに質問せずとも、「おはよう」などのかんたんな言葉だけでも、前向きな返事をくれます。まずはそうしたところから試してみることで、「AIは難しいものではない」という認識を持てるはずです。
業務でのAI活用は、私の場合は、敬語に迷うメール文書の添削や、仕事の悩み相談から始めました。そうするうちに便利さを実感し、AIが自分の質問傾向を学習して「話が早くなった」と感じるようになり、「AIと仲良くなってきたな」と思うようになりました。
一方、AIを活用した機能を試作する場合は、個人で楽しむレベルでは精度が頭打ちになることがあります。しかし、たとえボロボロなプロトタイプでも、まずはつくってみることが重要です。「こうしたい」という思いをかたちにしてみることで、周囲の協力も得られやすくなることを私自身の経験から実感しました。
今、「業務の一部を自動化したい」と考えている方は、ぜひ本記事を読み終わったらすぐに、AIに相談してみてください。ChatGPTなど、無料で使える生成AIサービスで十分です。AIと壁打ちすれば、今から30分程度で方向性が見えてきて、きっとそのまま行動に移せるはずです。

────「ゲーム感覚」で楽しみながらAI活用を推進し、大きな成果を出された河辺さんのご経験から、「AIは決して難しくない」ということを実感しました。本日は貴重なお話をありがとうございました!