導入事例は「顧客との関係づくり」「営業育成」にも役立つ?
事例取材は、顧客との関係を深める機会にもなります。筆者はこれまでに150件以上の取材に同席しましたが、その後、定期的な打ち合わせにつながるケースも多くありました。取材を通じて信頼関係が強まり、より長期的な関係を築くことができるのです。
事例取材は、営業活動のためだけでなく、顧客の声を知り、新たな強みを発見し、関係を強化する貴重な機会なのです。
さらに、導入事例は営業部員の成長を促す教材としても非常に有効です。
営業経験が浅い営業部員は、「何から話せば良いのか」「どうすれば説得力を持たせられるのか」など、商談の進め方に迷うことがよくあります。しかし、成功した導入事例には「導入前の課題」「導入後の変化」「成約の決め手」など、説得力を高める要素が詰まっています。これらを繰り返し説明することで、「課題に共感し、解決策を提示し、成果を具体的な数字で示す」という営業の流れが自然と身につきます。
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このプロセスを通じて、営業部員は「お客様に本当に喜ばれる提案とは何か」を体感できるようになり、営業スキルの幅が広がっていきます。
とくにインサイドセールスなど、顧客との最初の接点を持つタイミング、興味を引きつける場面でも導入事例は効果的です。当社のインサイドセールスには、異業種や異職種からの中途採用者が多くいますが、導入事例を顧客に伝えられるようにするところからトレーニングすることで、短期間でアポイントを獲得できるようになったケースが多くあります。
このように、導入事例は営業の説得力を高めるだけでなく、経験の浅い営業部員の成長を加速させる貴重なツールにもなります。