セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、富士通が「富士通Salesforceサポートデスク」においてAgentforceを採用したことを発表した。これにより、同社はより正確な回答の提供や要求への対応の迅速化を図ることで顧客満足度を向上させ、長期的な関係構築を図るとともに、顧客ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織への進化を目指す。
「富士通Salesforceサポートデスク」では、問い合わせ数の増加や新製品・新技術などサポート対象範囲の拡大にともない、コンタクトセンターにおけるオペレーターのスキル向上が急務となっている。また、継続的な対応品質の維持や顧客満足度の向上など、限られたリソースで効率的かつ高品質な顧客対応の実現も課題となっている。オペレーターが緊急度や難易度の高い問い合わせに集中できる体制の構築が求められており、AIを活用した解決策を模索していた。
これまで富士通では、SalesforceのService Cloudで顧客からの問い合わせを管理し、その生成AI機能であるEinstein for Serviceを活用してコンタクトセンターの効率化と高度化を図ってきた。また、顧客にはExperience Cloudサイトを通じて問い合わせてもらうことで顧客サポートを行ってきた。
今回採用されたAgentforce for Serviceは、24時間365日、データに基づいて自律的に問い合わせを解決するAgentforceのAIエージェント。Agentforce for Serviceは、蓄積された過去のナレッジや今後蓄積される情報をリアルタイムで活用し、これまでオペレーターが対応していた問い合わせに時間を問わず対応可能となる。
Salesforceのパートナーである富士通は、Agentforce for Serviceのパイロット検証を実施。本番環境での採用後は、コンタクトセンターにおける月間問い合わせ数の約15%をAIエージェントが対応できる体制の構築を目指している。これにより、オペレーターはより緊急度や難易度が高いケースに集中でき、サポート業務の効率化やリソースの最適化が可能になる。また、より正確な回答の提供や要求への対応の迅速化によって、顧客満足度の向上や、顧客との長期的な関係構築を目指す。
富士通 グローバルビジネスアプリケーション事業本部 本部長 桐生卓氏のコメント
当社は、Salesforceとの20年以上にわたる強固なパートナーシップを基盤に、国内外で1,000件を超える導入実績と豊富なマネジメント力を活かし、お客様のビジネス価値向上を支援してまいりました。今回、自社でのAgentforceの活用を通じて顧客満足度の向上を目指すとともに、当社のAIサービスのコア技術として開発しているLLM「Takane」および「Fujitsu Kozuchi AI Agent」との連携やこれまでの実績と得られた知見を活かし、力強いパートナーとして、お客様のビジネス拡大と企業変革に貢献してまいります。
Salesforce 専務執行役員 アライアンス事業統括本部 統括本部長 浦野敦資氏のコメント
この度、弊社の顧客でありパートナーである富士通様に、Agentforceをご採用いただいたことを、大変嬉しく思います。私たちは現在、AIの第3波に突入し、AIエージェントが自律的に推論し、人と協力して業務を進める新たな時代を迎えています。富士通様は、Salesforceの新製品を広く展開してきた実績と、LLMおよびAI開発における深い知見をお持ちです。今後も、強力なパートナーとして両社のAIエージェントの特性を活かしお客様の生産性向上に寄与するサービスを提供して参ります。