目指すのは「全員営業」 DXで2025年問題を乗り越える
──はじめに、外山さんのこれまでのキャリアを教えてください。
飲料メーカーや商業施設の運営会社、鉄道会社などでマーケティングやセールス、広報などに従事してきました。商業施設運営において販売促進を担当していた際に、BtoCでCRMを活用した経験がありますが、BtoBは初めて。アサヒロジには営業DX担当として入社しています。
──アサヒロジが営業DXに舵を切ったのは、どのような理由があるのでしょうか。
物流業界全体が直面している「2024年問題」が要因のひとつです。働き方改革法案の施行による輸送力不足は、当社にも大きな影響を及ぼしています。加えて、日本の労働人口の減少やドライバーの高齢化など労働力不足も顕著です。
これらの課題を乗り越えて右肩上がりの成長を実現するため、アサヒロジは、グループ内の物流だけでなく外販の物流にも注力して営業活動を拡大する方針を打ち立てました。新規顧客の開拓に挑むには、組織全体の営業力を強化しなければなりません。そこで「全員営業」をスローガンとして、営業DXに取り組むことになりました。
──当時、アサヒロジの営業組織はどのような課題を抱えていたのでしょうか。
当社の営業組織は、本社の営業本部と各支社に在籍する営業部員を合わせて約40名。全国に散らばる情報を集約・活用するうえで、既存のツールでは名寄せや入力・確認作業に時間がかかり、スムーズにいかなかったと聞いています。
加えて、従来のアサヒロジの営業活動は昔ながらの足で稼ぐスタイルで属人化しており、異動や退職によって引き継ぎが不十分なケースも多々ありました。さらには、支社や個人評価のために情報の囲い込みという問題も散見されていました。