さらに広い視野で「営業企画」をとらえ直す
──作田さんのこれまでのキャリアと現在のミッションを教えてください。
2007年に新卒で日本ヒューレット・パッカードに入社し、その後Salesforceへ転職してエンタープライズセールスや営業マネジメントに従事しました。2016年からはSMBのお客様を担当する営業部長を、2020年からはインサイドセールスとフィールドセールス、SEを合わせて約80名を統括する営業本部長兼執行役員を務めました。2024年5月にユーザベースへ転職してからは、フォーキャストモデルやカスタマーサクセスのチャーン防止、イネーブルメント施策などの企画・改善を横ぐしで担っています。同時にエンタープライズセールスや「スピーダ戦略コンサルティング」の立ち上げ支援など、さまざまな活動をしています。
──Salesforce時代からユーザベースを担当されていたそうですね。
そうなんです。営業部長のころから5年ほど担当していました。一緒にイベントへ登壇したこともあります。
──『営業企画白書2023』(以下、白書)が発表された当時はどのような印象を抱きましたか。
3つの壁も、経営と現場をつなげていく難しさもとても共感しました。お客様の営業プロセスや営業戦略を考えたり、営業本部長として戦略や施策を打ち立てて営業現場に実装したりするなかで、まさに私も難しさを感じていたところです。とくに営業企画が打ち立てた戦略や施策が現場へ浸透していかないという課題は、お客様を見ていても非常に多いですね。今回の連載のいちばんのポイントになると思っています。
一方、アップデートしていきたいこともあります。『白書』では「データ入力の壁」「ターゲティングの壁」「戦略と実行の壁」の3つの壁を挙げていますが、企業によっては、営業企画がイネーブルメントを担っているケースもあり、壁が複合的になり難易度も高まっている気がしています。より広い視野で営業企画の役割や可能性をとらえ直してみたいですね。
──作田さんはこれまで営業企画とどのようにかかわってきたのでしょうか。
Salesforceにはセールスストラテジーという部署の中にセールスプログラムというチーム、別の部署にイネーブルメントチームがあり、これらが営業企画部門にあたります。この部門とタッグを組んで営業戦略の実行を目指していました。
営業企画はグローバルの方針や経営方針をもとに営業戦略を作成し、現場へ落とし込みます。しかし「上が言うから」だけではメンバーは動きません。そこで、営業マネージャーとして戦略・施策の実現可能性や効果を検証し、現場にマッチするかたちへ調整することに注力していました。