一人前になる期間が半分に!イネーブルメントが必要なワケ
──さっそくですが、イネーブルメントチームを立ち上げるに至った経緯についてうかがえますか。
2021年に採用方針を大きく変更したのがいちばんのきっかけでした。2020年以前は少数精鋭の即戦力採用でチームをつくってきたのですが、組織の拡大スピードを上げるべく、採用対象をポテンシャル層へ拡張することになりました。
人数にして例年の3~4倍の人数を採用することになり、それに伴ったテーマはふたつです。ひとつは、若手のポテンシャル層の採用が初めてだったため、手厚い教育プログラムの策定が必要だということ。もうひとつは、専門の教育体制の構築です。即戦力採用の場合、営業社員が自分の仕事と並行してNew Joiner(新入社員)をフォローしつつ、自走してもらっていたのですが、採用人数を拡大したため当然キャパシティ的にも課題がありました。そこでふたつのテーマに対応できるセールス・イネーブルメントの専任チームをつくる意思決定となりました。
──大道寺さんが、イネーブルメントの責任者として抜擢された理由もうかがえますか。
最終的な意思決定をした上長の言葉を借りると「想いがあった」ことが最大の決め手だったそうです。
スタートアップやベンチャー企業での営業・マネージャー経験があるのですが、それらの企業では高い年収もいきなりは提示できませんし、採用の競争力がないため、即戦力採用は難しい状況でした。そのような状況下で事業を成長させるには、新卒や20代の若手を採用し、育成して戦力化することが肝となります。人の成長が事業の成長を牽引し、さらに人が成長するチャンスが生まれるというサイクルを創出することに非常にやりがいを感じていました。
当社でも採用人数を拡大し、人の成長を組織のエンジンにするタイミングがくると考えていました。また、イネーブルメント組織の立ち上げ以前にも、採用や新入社員の教育を担当する機会があり、育成と事業をつなげて伸ばす仕事のやりがいを改めて感じていたため、ぜひチャレンジしたい、と引き受けました。
──取り組みから1年と少し経った現時点で、最大の成果だと思うポイントをうかがえますか。
入社後、営業職で「一人前」と評価される成果水準に到達するまでの期間が大幅に短縮されたことです。半年くらいかかっていたものが、2~3ヵ月程度で到達できるようになっています。