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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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SalesZine Day 2022 Winter(AD)

立ち上げ初期はマーケ直下で! 受注数7倍を実現したSATORIのインサイドセールス立ち上げ事例

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 2日間にわたって開催された「SalesZine Day 2022 Winter」。今回は「自走する組織をつくる育成・オペレーション」をテーマに、コロナ禍の困難な社会情勢においても成長を続ける各社の取り組みが紹介された。本稿では、MAツール「SATORI」提供するSATORIで営業部部長 兼インサイドセールスグループ グループ長の堀康佑氏が登壇したセッション「自走する営業組織を実現するスモールステップとは 経験者が語るMA活用事例」の様子をお届けする。

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成功のカギは「スモールスタート4ステップ」

 セッション冒頭、堀氏は日本でDXに成功した企業の割合は14%であることを紹介した。ボストン・コンサルティンググループが実施した「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査(2020年4月~6月実施)」で示されているこの数字は、世界各国の平均である30%の約半分にとどまっているという。同調査には、DXに失敗した企業の共通点として挙げられた特徴は次のとおりだ。

1. 目的と戦略が不明瞭で価値創出までの道筋が見えていない(=DXが目的化している)

2. 人/テクノロジー投資が不十分

3. 業務効率を高めるための対応が不十分

 それではどのようにすれば、DXを成功させることができるのか。堀氏は、「『売り手(社内)』と『買い手(社外)』のふたつの視点から、それぞれの課題にアプローチすることが重要」と語る。

SATORI株式会社 営業部 部長 兼インサイドセールスグループ グループ長 堀康佑氏

 まず社内については、関係者全員が『目的とゴール』を共通認識として持つことが必須だ。そのうえで、価値創出までの道のりが長くなりすぎないように、できるだけスモールスタートで「小さな成果を早期に出すこと」が大切であると説明した。重厚長大な目標とロードマップを立てるのではなく、無理なくできる範囲での取り組みを積み重ねていくことが結果的に大きな成果につながることを強調する。

 具体的には、まず事業成長への影響が出やすいタスクから着手し、無理のないリソースで成果を得ることを意識しつつ、適宜外部パートナーの力を借りながら小さな成果を上げていく――その後は成果の恩恵を受けられる自分たちとは別のチーム内に協力者を見つけ、社内ネットワークを広げていく、という一連のフローを解説した。

 

「一見時間が掛かるように見えますが、いきなり社内全体で重厚長大に始めようとしても、なかなかうまくいかないことが多いんです。やはりコントロール可能な範囲から小さくスタートし、ステップ・バイ・ステップでマイルストーンを置きながら進めていくほうが、結局は最短でゴールに辿り着くことができると思っています。実際に、私たちが支援をする中でもそうした実感があります」(堀氏)

 一方、買い手側に関しても急速なデジタルシフトが進んでいることを堀氏は指摘。2019のForresterの調査によると、BtoBの取引において、購買行動のはじまりは「検索から着手する」が92%、「初期検討時にはセールスと接触したくない」が60%、「非対面のみで購入先を絞り込む」は62%に上るのだという。なお、これらのデータはコロナ禍以前のものであるため、現在はこの傾向がさらに強まっていることが想定される。

 

 非対面が好まれる傾向は、マインド面だけでなく実際の行動の側面でも顕著な変化が表れている。実際に、SATORIの営業活動においても対面・非対面の営業活動の割合を比較すると、2020年初期までは対面営業のほうが割合が高かったものの、コロナ禍以降は急速にオンライン営業へとシフトし、現在でもその傾向に変化はないのだという。

 

立ち上げ期はマーケティング組織直下とすべき理由

 こうした社内外の変化や制約がある中で、営業組織の「案件・受注数を増やす」という大命題は変わらない。ゆえに、インサイドセールスには、「受注につながる案件をいかに効率的に創出するか」「どのようにして持続的に成果を出すか」にフォーカスした仕組み・組織づくりが求められる。

 優先的に着手するべき点のひとつとして、堀氏はSATORIのマーケティング・営業組織の全体像を紹介しながらインサイドセールス組織の立ち上げに関する話題に。SATORIでは、リードの創出はマーケティング部門、商談創出・商談後の関係構築はインサイドセールス、そして契約に近い見込み客との商談はセールス部門がそれぞれ担当し、部門間で強固に連携しているという。

 

 同社の「インサイドセールス部門」は、2017年に1名体制でスタートし、現在は第4フェーズで約20名規模の組織となっている。

 

 SATORIのインサイドセールス組織の立ち上げ期は、セールス担当者が堀氏を含めて2名、マーケティング担当者が1名という3名体制であった。セールス担当者は自発的に手の空いた時間にアポを獲得していたものの、手当たり次第に獲得していたアポは案件につながらないものも多かったという。これにより、かえって案件管理が煩雑化し、「効率性」から遠ざかってしまった過去を明かした。「そうした背景もあり、商談創出やリスト・案件の管理を効率的に行いたいという思いが組織改革につながった」と堀氏は振り返る。ポイントは次の3点だ。

1. KPIの設定

 評価指標として、フィードセールスと共通のKPI、KGIを設定した。「立ち上げ期はどうしても数を追いがち。しかし、あくまでも重要なのは『受注』を獲得することである点を徹底して浸透させたかったんです」(堀氏)

2. マーケティング直下、かつ、専任でアサインする

 アサインをする際は専任で、なおかつマーケティング直下という点にこだわった堀氏。「重要なのは、フィードセールスの直下としないこと。インサイドセールスは、将来的には独立した部門としてフィードセールスのできない部分を担うようになるべきですが、一歩間違えるとフィードセールスのためのアポ取り部隊になりかねません。マーケティング部門との連携を密に図ることは、組織をスケールしていくために重要な考え方であると考えています」(堀氏)

3. ツールの活用

 SATORIではプロモーション、マーケティング、インサイドセールス、セールスパートナーそれぞれが複数のツールを使い、データ基盤には自社製品である「SATORI」を活用している。マーケティングのリード獲得情報やセールスの活動情報が統合されており、そこからデータを取得している。「はじめからすべて整っていたわけではなく、ツールや情報連携についてもスモールスタートで順次拡充していきました。管理する情報をひとつにまとめ、効率的に情報を活用し、日々のアプローチの質を高めています」(堀氏)

アプローチに効く「キラーコンテンツ」運用

 セッションの後半では、SATORI自身も活用しているMAツール「SATORI」の話題に。同ツールは、顧客の行動を可視化し非対面アプローチを実現するサービスだ。データを一元管理するだけでなく、新規案件を増やしたり、営業の効率化を図ったり、マーケティングやインサイドセールス、フィードセールスなどあらゆるチャネルの課題解決に寄与できる点が強みだ。

 デジタルシフトが進んだ買い手の購買プロセスにおいて、「課題解決のためのリサーチをする」「製品・サービスを探す」「資料で比較する」行動はそれぞれ「ウェブ検索」「売り手のサイト訪問」「資料請求」に該当し、その間の売り手と買い手のコミュニケーションは非対面で行われる。

 実際にSATORIではMAをどのように活用し、商談創出を行っているのか。堀氏は重要なポイントとして、「アプローチすべきタイミングを見逃さない」「見込み客へのフォローを欠かさない」「電話以外でのアプローチを積極的に行う」3点を挙げたうえで、「アプローチのタイミング」に関するテクニックを紹介した。

 商談創出でありがちなのが、「アプローチするタイミングがわからず、見込み客を逃した」パターン――これを回避するうえでは、キラーコンテンツを用いて「ホットな」タイミングを検知することが重要であると語られた。キラーコンテンツを「検討段階の進んだ顧客を検知するコンテンツ」と定義し、そのコンテンツと接触したタイミングでアプローチすることで商談化がかなう、という理屈だ。

 MAを活用することで多岐にわたる顧客のアクションを把握することができるため、過去に商談した見込み客のデータを参照することで、契約に結びついた人がどのような行動をし、どのようなコンテンツを見ているのかを導き出すこともできる。さらに、そこから逆算をして「どのような行動をし、どのようなコンテンツを見た人が購入に結びつきやすいのか」を推測することもできる。「他社比較」がキラーコンテンツとなっている同社では、180日以内に該当ページを2回以上閲覧した来訪者を可視化し、担当者に通知を送信する。そうした迅速なアプローチを行うことで見込み客の「ホット」を逃さず、商談化・成約率の向上を実現しているという。

 

 キラーコンテンツに触れる顧客は全体の100分の1とそう多くないため、商談の絶対数も少なくなってしまう。しかし、該当ページを参照しなかった顧客へのアプローチ成果と比較すると、リードからの商談化率は約8倍もの差がついていたのだという。

 

 終盤、堀氏はセッション中に述べたインサイドセールス組織の立ち上げポイントを改めて言及し、「繰り返しにはなりますが、インサイドセールスを立ち上げる際は、フィードセールス部門の直下ではなく、マーケティング部門の直下とするのをおすすめします」と再度強調した。また、MAを活用した商談創出テクニックについては「ツールを活用することで関心度合いが可視化されるため、商談化の効率を高められる。これを実現するうえでも、ぜひキラーコンテンツを用意してほしい」と語った。

「非対面コミュニケーションでは、匿名客が全体の97%を占めます。そうした方々に匿名のままアプローチできる点こそが『SATORI』が新規顧客獲得に強いと言われる所以です。手厚いサポートや情報提供も行っているので、ぜひ興味のある方はお声掛けください」(堀氏)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://saleszine.jp/article/detail/3212 2022/03/14 11:00

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