20年間で「営業職」は100万人減少している
デジタル化やAIの台頭で、働く人を取り巻く環境は10年後にはどのような変化を遂げているのでしょうか。総務省統計局の「令和2年 労働力調査年報」によると、この20年間で営業職は約100万人減少しているそうです。労働人口自体が減少していることに加えて、デジタル化やアウトソーシング化をはじめとした業務の最適化にともない、営業職の採用事情に変化が生じている点もひとつの要因として推察できます。このまま営業職の人数が減少していくと仮定すると、「営業」という仕事そのもののあり方が変わっていくことが予測されます。
「このまま営業としてやっていけるのか?」
コロナ禍の影響でインサイドセールスを導入する企業も増えています。2021年5月に発売された『Sales Tech市場と営業組織のテクノロジー活用 最新動向調査2021』によると、インサイドセールスの仕組みを導入した企業は約30%、検討中も含めると約45%だそうです。
かつては声高に叫ばれた「営業は足で稼ぐもの」という言葉からもわかるように、従来はお客様の元へ直接訪問し、目と目を合わせて商談を行う「訪問型」の営業が主流でした。現在もその風潮は残っているものの、コロナ禍でオンライン商談を導入した企業も多く、営業の働き方は現在過渡期にあるとも言えるでしょう。
新型コロナウイルスの拡大防止策として語られることも多い一方で、経営者目線では移動費や宿泊費などのコスト削減のメリットがあるオンライン商談ですが、もちろんデメリットもあります。対面営業に比べて熱意が伝わりにくく、提案力や商材自体の魅力が足りなければ受注につながらず、厳しい状況に陥る営業パーソンも少なくありません。
こうした状況下において「このまま営業として生き抜いていけるだろうか」と不安を抱え、中には転職を考える人もいるかもしれません。転職先を検討する際に、今までと同じ業界や職種を選ぶかは悩みどころです。ただでさえ難しいと言われる異業種・異職種の転職ですが、とくに35歳を超えると難易度がグッと上がってしまうため、タイミングの見極めが非常に重要である点はお伝えしたいです。
営業以外の職種を視野に入れる場合は、すぐに転職活動を始めるのではなく、まずは社内異動の道を探ったり、現職を手放さない副業やボランティアにチャレンジし、「異職種の経験を積む」ことから始めるのがお勧めです。
当社にも営業からキャリアをスタートし、転職をきっかけにマーケターへ転身したメンバーもいます。いきなり未経験での転職を考えるのではなく、社内異動や社外でのボランティア活動を通じて経験を積み、新たな職種にチャレンジする――これこそが遠回りのように見えて、むしろ異職種転職への近道かもしれません。