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「とりあえずやってみる」は現場を疲弊させる? 『無敗営業チーム戦略』×『インサイドセールス』著者対談

2021/03/24 07:00

『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』(日経BP社)の著者・高橋浩一氏、『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』(翔泳社)を2020年12月に上梓した茂野明彦氏、注目の営業本・著者2名が対談した本セッション。激動の2020年に新たな「営業本」を出版したふたりの対談から、本当に強い営業組織になるために必要なSales Tech活用やインサイドセールス組織の作り方、新時代の育成や採用において重要な視点を明らかにしていく。本稿ではセッションの前半の様子をお届けする。

営業活動のイニシアチブを握るためのアクションとは?

茂野 テレワークの導入率を見ていくと、「導入している」の回答は過半数を占めています。一度定着した以上、テレワークがなくなることは考えにくいため、この働き方に即した営業スタイルへのシフトが求められることは確かであると思っています。高橋さんのお客様の中で、オンライン営業に切り替えられた方はどれくらいいらっしゃいましたか?

 

高橋 二極化していましたね。切り替えよう、と踏み切った会社さんもあれば、いずれ対面営業に戻ることを前提とした営業活動をされているお客様の両方がいらっしゃいます。

茂野 業界や業態ごとに状況は異なるものの、データだけ見ていると、引き続きオンライン営業は伸長していくのではないかと思わされますよね。オフラインイベントが軒並み中止になり、2万3,000社に影響があったと言われています。これにより、従来以上にウェブサイトの問い合わせやチャットの対応、マーケティングメールが増加するなど、営業手法の変化は避けられないのではないかと思います。

 

 ここまでをお客様に伝えると、「ではチャットを始めましょう」「マーケティングメールを送ってみましょう」などと、方法論が先走るケースが多い印象です。どのような点に原因があるとお考えですか?

高橋 思うように接点をつくることができず、「とにかく困っている」という状態が引き金になっていると思います。従来は顧客にアクセスしようと思えば、「とりあえず訪問する」などと「営業側から」アプローチができていました。しかし、現在は時勢柄、なかなか難しいですよね。

 また、対面営業にこだわりを持つ会社の方からは、「お客様との商談で、営業側が主導権を握れない」と相談を受けることが少なくありません。「お客様から呼びだしがあったため訪問する」ですとか、「こちらから持ちかけたオンライン商談を断られる」など……営業側でイニシアチブを握れていない状態ですと、営業組織の動きは制限されてしまいます。何よりもまず「営業がお客様に対して場のイニシアチブをとれているか」は重要な視点であると思っています。

茂野 営業側がその場のイニシアチブをとっていくうえで、必要なこと・重要なことは何でしょうか。

高橋 ひとことで言うと、「必要とされる理由をつくれているかどうか」だと思っています。茂野さんも書籍で言及されていますが、「会うための理由をしっかりつくること」が普段からできている方々は、さほど困っていないように思っています。一方、「とりあえず会ってなんとかしよう」というスタンスで営業活動されていた方々は、いわばお客様に主導権がゆだねられている状態であるため、少々苦労してしまうかもしれません。インサイドセールスが最初からうまくいく会社は、「インサイドセールス組織の立ち上がりがうまくいった」というよりも、「イニシアチブをとる」ことが実現できている組織であると思っています。

茂野 Hubspotの調査によると、日本企業におけるインサイドセールスの導入率は11.6%で、導入率が40%を超える欧米と比較すると、まだまだ低い数字です。「インサイドセールスが流行っている」と一部で言われてはいるものの、日本ではまだまだ普及していないのが実情であるため、慎重に検討したうえで導入するべきか否かを選択いただければと思っています。

 

 高橋さんがおっしゃるとおり、「とりあえずやってみよう」と、「ふんわり」始めてしまうと、なかなかうまくいかないと思いますが、しっかりと設計を行ったうえで運用することができれば、成果につながるのではないでしょうか。

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