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カスタマーサクセスが成功する組織文化は?社会を前進させる自利利他な存在へ――チームボックス・岡田さん

2020/07/03 07:00

 「売って終わり」ではなくなった時代、「カスタマーサクセス」は営業組織が理解しておくべき仕事のひとつだろう。インタビュー連載「カスタマーサクセスという仕事」。第5回に登場いただくのは、岡田奈津子さん。ウェブ改善のグロースハッカーから、フリーランスのカスタマーサクセス支援を経てチームボックス社にジョインした岡田さんが、いま思う「顧客に向き合える組織文化」の重要さと現在のチャレンジを伺った。

カスタマーサクセスとの偶然の出会い、顧客から学んだこと

――2015年にカスタマーサクセスに出会うまでの岡田さんのキャリアを教えてください

いまとなっては考えられないですが、就活生のころは30代になったら仕事はやめて家庭に入ろうと考えていたため、20代で一生分働きたいと思っていました。責任ある仕事に早くチャレンジしたく、ウエディング事業を展開するベンチャー企業に2007年に入社し、ウェディングプランナーとしてキャリアをスタートしました。

日々楽しくて「天職だ!」と思っていたのですが、「20代で駆け抜ける計画」が私にはあるじゃないですか? 2009年にはリーマンショックが起こり、ウエディング業界も決して「イケイケどんどん」の状況ではないですから、本社の企画・マーケティング職へのチャレンジは叶いそうにありませんでした。25・6歳のいまなら転職するのも良いかもしれないとグリーへ転職し、芸能人ブログの仕事に携わったのち、「編成」と呼ばれるマーケティングの要素を含む仕事を4年半ほど行いました。

 
岡田奈津子さん

ゲーム交流サイト「GREE」のユーザーが使いたいと思えるゲームプラットフォームであり続けることが「編成」のミッションです。いまの言葉で言えば、インハウスで行う「グロースハック」で、ウェブサイトの面や見せ方を変えることに日々チャレンジしていました。そのグロースハックを自社サービスだけではなく、クライアントに対して提供しないかとKaizen  Platformに誘われたのが2014年ごろのことです。

当時はウェブサイトの改善と、その先にいるユーザーが喜んでもらえる自分の仕事がとても好きだったので、より多様なウェブサイトや顧客に向き合えることが魅力的に映りました。その職種の名前が、たまたま「カスタマーサクセスだった」という偶然の出会いです。日本企業で職種として存在したのはかなり早いほうだったはずです。ただ、最初は言葉が先行していて実際の業務はコンサルティングやグロースハッカーに近いものでした。

「カスタマーサクセスってなんだっけ」と自らを問い直すタイミングはすぐにやってきました。まず、グリーの「編成」はすごく恵まれていたことがわかったのです。トラフィックも非常に多く、エンジニアもすぐそばにいる環境でどんどん改善に着手できますし、少しの変化だけで良くも悪くもユーザーの反応がすぐに見えます。1週間も検証すれば十分ですし、1時間で結果が出ることもあるくらい潤沢なボリュームがあるサイトでした。

一方、さまざまな顧客のウェブサイトの改善を担当してみると自分の施策が良かったか悪かったのか、トラフィックやアクションの数が少なく判断しかねる検証もありました。これが「勝ちパターンだから」と自信があっても結果につながらなければ、説得力はないですし、困るのはお客様です。ウェブ改善が成果につながっているか検証できないとき、「私は何の仕事をしているのだっけ」とカスタマーサクセスという職種に立ち戻って考えました。当然、お客様は事業成功のためにウェブサイトを運営しているわけであり、1つひとつのボタンの○○レートが良くなれば良いわけではないことに気がつくわけです。

 

たとえば、中古車販売のお客様が売上を増やすためにウェブサイトを運営しているとして、問い合わせ増は達成したいKPIのひとつであっても、それだけが上がれば良いわけではないことはわかりますよね。お客様が見ている世界と、私がやっているウェブ改善にずれがあることをお客様から教えてもらい、そこからカスタマーサクセスについてもっと勉強しようと思うようになりました。

社内のロジックとお客様のロジックが微妙に違うことにお客様のおかげで気がつけて、お客様の考えをもとに会社の人たちに意見を伝えることの繰り返しでした。社内の人たちも、私と同じタイミングで「カスタマーサクセス」を学んでいたところだと思うのですが、「なんでそう思うの?」と言語化を促してもらえた環境だったことも良かったです。

また、カスタマーサクセスの取り組みが功を奏したのは、営業と切り離してもらっていたこともポイントだったと思います。お客様と自社の共存を純粋に考えられたのは、売上を担保してくれている営業がいたからというのは間違いないです。

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