セールスフォース・ドットコムはFinancial Services Cloudに保険業界向けの新機能を追加したことを発表。現行のFinancial Service Cloudで提供する機能に加え、保険会社は保険契約者の家族構成やライフイベントなど関連する情報を360度で統合的に把握することが可能になる。
米国セールスフォース・ドットコムの保険グローバル責任者であるアヤン・サルカール氏は次のようにコメントしている。
「保険業界は、保険契約者の生活のあらゆるライフステージで、これまで以上に関連性の高い魅力的な顧客体験提供することに取り組んでいます。データとAIを活用し、顧客接点をデジタル化することで、保険会社各社が独自の体験を提供できるようになりました。今後も保険会社と連携し、Financial Servies Cloud の新しい保険業界向けイノベーションで業界を変革することに興奮しています」
Financial Services Cloudの新機能
エージェントコンソール機能
業績指標、保険契約者とその家族に関連するインサイトおよびライフイベントや保険金請求などのアクションを含むデータを包括的に確認できる。
Lightningフロー機能
チャネル、アプリ、デバイス上の情報を1ヵ所に統合し、一貫した段階ごとのガイダンスを提供する。あらかじめパッケージされたLightningフローテンプレートは、特定のビジネス上のニーズに応じて複製してカスタマイズでき、担当者の業務効率が向上する。
ライフイベント機能
新しい家の購入、卒業、転職など、保険のニーズの変化の主要なトリガーをキャプチャして視覚化。それによりエージェントは、たとえば最初の子供が生まれたタイミングに合わせて、生命保険、住宅保険、自動車保険の補償範囲の再検討について提案することができる。
Einstein Analytics for Financial Servicesの新しい機能強化
AIによって得られるインサイトおよび推奨事項、さらに更新やキャンセルなどのKPIに応じて調整された構築済みのベストプラクティスが保険代理店および営業マネージャーに提供されるように。たとえば、保険代理店は見込み顧客や新規顧客に関する情報を入手して、もっとも成約または更新の可能性が高い保険商品を特定でき、営業マネージャーは、成績が優秀な保険代理店や、あるいは解約率の高い保険代理店を地理別に特定できる。
Community Cloud for Financial Services の新しい拡張機能
新しい保険データモデルおよびオブジェクトにアクセスできる保険仲介業者向けの新しい構築済みテンプレートを提供する。
Financial Services Cloudを活用する大手保険会社の例
State Farm(米国)
Financial Services Cloud を活用し、顧客により効果的にサービスを提供するためのインサイトを保険代理店に提供している。
Pacific Life(米国)
Salesforceを企業全体の統合CRMプラットフォームとして展開し、営業、サービス、およびマーケティングのチーム間の隔たりをなくし、金融の専門家との関わりかたを新たに捉え直すことができるようにした。
Amica Mutual Insurance Company(米国)
Financial Services Cloud を活用し、営業とサービスの両方に関連する質問を処理する担当者が、すべての顧客とのやりとりをひとつのビューで確認できるようにし、断片的な情報をまとめるためにシステム間を切り替える手間をなくした。
東京海上日動火災保険株式会社(日本)
よりパーソナライズされた顧客体験を顧客に届けるとともに、期待を上回るサービスを提供するため、営業、コールセンター、保険代理店、マーケティングなどの顧客接点で得る情報をFinancial Services Cloudで統合することを目指す。
LV(英国)
Financial Services Cloudを実装してビジネスの持続性を高め、顧客との対話において常に先を見越すことにより、顧客のニーズと期待の両方を満たしている。
Generali France
Financial Services Cloudを選択し、Tied Agent NetworksおよびSalary Network Salesプロセスの全社的な変革とプロセスの改善を可能にした。
提供開始の時期および価格
Financial Services Cloudの新機能はすでにリリースされており、1ユーザーあたり月額$150から利用可能。Einstein Analytics for Financial Servicesもすでにリリース隅で1ユーザーあたり月額$150から利用できる。Community Cloud for Financial Servicesは、2019年末にWinter ‘20の製品ラインの一部として利用可能となる。