学研ホールディングスのグループ会社であるベンドは、運営する「スキルアップ研究所」にて、「転職活動におけるスキル評価についての実態調査」を行い、結果を発表した。
〈用語について〉
ポータブルスキル:特定の職種や業界に限定されず、どのような職場でも役立つ汎用的なスキル
テクニカルスキル:汎用性があまり高くないものの、特定の職種や業界でとくに高く評価される専門的な知識や技術
ポータブルスキルのアピールがテクニカルスキルの評価を引き上げる

この調査から、ポータブルスキルを十分にアピールできた転職者はテクニカルスキルも高く評価される傾向が判明した。
背景には、両スキルが相互補完的な関係にあり、バランスの取れたアピールが転職成功の鍵となる可能性や、テクニカルスキルの運用にあたりポータブルスキルが重要になること、またアピールのスキルそのものが評価されるにあたって必須であることなどが考えられる。
高評価を得やすいのはプログラミング・ソフトウェア開発スキルやデータ分析・統計解析スキル

「転職活動において、自分のテクニカルスキルが正当に評価されたと感じましたか?」という質問に対し、プログラミング・ソフトウェア開発スキルやデータ分析・統計解析スキルを強みとしてアピールした転職者の85%以上が「評価されたと思う・やや思う」と回答した。
現在、さまざまな業界で、ITスキルやデータ解析能力の需要が高まっており、これらのスキルを持つ人材の価値が高まっていることが結果に反映されている。
実務経験・保有資格と転職先の要件とのマッチが正当な評価につながる

「転職活動において、自分のテクニカルスキルが正当に評価されたと感じた理由は何ですか?」という質問に対し、もっとも多かった回答は「転職先の業務内容と過去の経験がマッチしていた(実務経験ベース)」であり、「転職先が求めるスキルと自分のスキル・保有資格が一致していた(要件ベース)」が次に続いた。

また、「転職活動において、自身のテクニカルスキルが正当に評価されるために重要だと感じた要素を教えてください(複数回答可)」という質問では、約6割が「実務経験」を、約4割が「保有資格の種類」をあげた。
実務経験は応募者のスキル活用能力を実証するものとして最重要視されるが、同時に適切な資格の保有も評価獲得の重要な鍵となることが明らかになった。
7割以上が資格を取っておけばよかったと回答

「もし転職前に戻れるとしたら、『資格があれば、もっと有利に転職活動できた』と思いますか?」という問いに対し、7割以上が「そう思う・ややそう思う」と回答した。
転職市場の競争激化により、ほかの応募者との差別化要素として資格の価値が再認識されている。資格は職務関連スキルの客観的証明となり、多くの転職者がスキルの「見える化」の重要性を痛感していることが示された。
【調査概要】
調査名:転職活動におけるスキル評価についての実態調査
対象者:20代~60代の転職活動経験者
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年3月3日~3月10日
回答数:300名