才流は、大手企業の新規開拓・既存顧客の取引拡大に有効な戦略・ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の基礎知識と実践方法を1冊にまとめた『ABM 入門と実践ガイドブック』を無料公開した。
ガイドブックの概要
ABMの誤解を解消し、組織内のABMの認識・理解をそろえる
ABMは、アメリカで生まれた経営戦略のひとつ。
しかし、日本では「CxOレターの送付」や「インサイドセールスのBDR組織の設立」のように、「ABMとは特定の手法を行うこと」という誤解が生じている。また、具体的な事例情報が公開されづらく「ABMに関心はあるが、実践方法がわからない」という声も多い。
このような課題に応えるため、才流ではABMの基礎知識と実践方法を体系的にまとめた『ABM 入門と実践ガイドブック』を企画・制作した。
本ガイドブックは「何を考え」「どう動くか」という戦略立案から具体的な行動までを包括的に解説する、ABMの実践指南書といえるコンテンツである。
なお、監修は「スピーダ 顧客企業分析」「スピーダ 顧客企業データハブ」(旧サービス名:FORCAS)を提供する、ユーザベース スピーダ事業 法人営業・マーケティング支援責任者上級執行役員田口槙吾氏が行っている。
タイトル:『ABM 入門と実践ガイドブック』
発行元:才流
発行日:2024年8月21日
ページ数:206ページ
著者:政次貴弘、名生和史(才流)
監修:田口槙吾(ユーザベース)
不特定多数のリード獲得ではなく、特定企業との接点をつくり、広げるABM
ABMとは、ターゲットアカウント(企業)を個社の単位まで定め、アカウントからのLTV最大化を目指すときに使う戦略のこと。既存顧客・新規顧客を問わず、営業とマーケティングを中心とした各部門連携のもとで、ターゲットアカウントごとにカスタマイズされた、マーケティングおよび営業活動を行う。
法人営業の一般的なアプローチとして、LBM(リード・ベースド・マーケティング)が広く用いられてきた。これは、テレアポ、展示会出展、ウェビナー開催などの営業やBtoBマーケティング施策を活用して多くのリードを獲得し、徐々に見込み顧客を絞り込んでいく手法。
しかし、LBMがすべてのビジネスモデルや商品・サービスに適しているわけではない。とくに、顧客の意思決定プロセスに多数の関係者(5名以上)が関与する場合や、組織規模の大きい大手企業をターゲットとする場合、LBMの効果が限定的となる可能性がある。
このような状況では、ABMがより効果的な戦略として考えられる。ABMは特定のターゲット企業(アカウント)を定め、そのアカウントからの売上最大化を目指すアプローチ。個々の顧客に対してよりカスタマイズしたアプローチを行い、複雑な意思決定プロセスを持つ大規模組織との取引に適している。
ビジネスでは、商品・サービスの特性や顧客層に応じて、ABMとLBMを適切に使い分けることが重要である。顧客の状況や市場を多角的に分析し、適したマーケティング、営業戦略を選択することが、ビジネスの目標達成につながる。
ガイドブックで学べること
『ABM 入門と実践ガイドブック』は、ABMを実践し、成果を出している企業の事例を交えながら、ABMの基礎知識、実践方法、組織体制と評価指標の設計を解説している。
また、「自社にBtoBマーケティングの部署がない」という企業でも対応できるように、営業企画や営業推進部、経営企画部などの部署もABMに取り組めるような構成にまとまっている。
1.日本の商習慣を前提としたABMの基礎知識
現場からのボトムアップで意思決定が進む日本の商習慣を前提とした、ABMの基礎知識がわかる。ABMの実践に必要な要素をまとめたABMの全体像を提示しながら、ABMが注目される背景や大量のリード獲得を前提とした営業・マーケティングとの違いなど、疑問が生じやすい点を解説する。なお、ABMはすべての商品・サービスに適した営業戦略とはかぎらない。ABMが自社に適しているのかがわかるフローチャートも紹介する。
2.営業とマーケティングの連携が深まるABMの組織設計
ABMの成功には、営業とマーケティングを中心とした組織の連携が欠かせない。各部署が協力し、ターゲットアカウントリストを活動の中心に据え、アカウントごとのエンゲージメントを深めていく体制を構築する必要がある。組織設計、オペレーションの最適化、メンバーのマインドセットというみっつの観点から、ABMの体制づくりを解説する。
3.ABMの実践方法
ABMの実践方法として、ターゲットアカウントリストの作り方、ターゲットアカウントの開拓方法を考えるプランニング、そして具体的なアクション(施策)を解説する。
4.ABMの評価設計(モニタリング)
ABMは、商談創出や受注といった取り組みの成果が現れるまでに時間がかかる。そのため、何を評価指標とするかが課題となりやすいです。本ガイドブックでは、ABMの活動を「リード獲得期」「案件創出期」「案件育成期」「案件獲得期」の4つのカテゴリに分けて評価する方法を紹介する。
5.ABMのリアルな事例
本ガイドブックには、ABMを実践し成果を出している企業の事例を多数掲載している。また、ABMを実践する企業として、「スピーダ 顧客企業分析」「スピーダ 顧客企業データハブ」(旧サービス名:FORCAS)のユーザーが協力したアンケート結果も紹介する。事例により、ABMの理解が深まる。
【目次】
第1章 ABMの基本的な知識を学ぶ
第2章 ABMの体制を整備する
第3章 ターゲット設定
第4章 プランニング
第5章 ABMのアクション(ターゲットアカウントとの接点をつくる、広げる、深める)
第6章 モニタリング(ABMの評価方法)
第7章 営業のデジタル化を進める
付録 ABMのアクションプラン集
こんな方におすすめ
- 売上が伸び悩んでおり、現状を打開する施策を知りたい
- 特定企業(とくに大手企業)への新規営業ノウハウを知りたい
- ABMの基礎知識を知り、ABMを取り入れたい
- すでにABMを実践しているが、成果が見られないので改善したい
営業、マーケティング有識者からのコメント
ユーザベース スピーダ事業 法人営業・マーケティング支援責任者 上級執行役員 田口槙吾氏(監修担当)
私は大手企業からスタートアップまで、規模を問わず1,000社を超えるABMの支援を行ってきました。ABMはマーケティングとセールスの連携を強化し、顧客に最適な価値を届けるための戦略であると確信しています。
一方、日々の支援活動を通じて感じるのは、成功するABMには顧客起点の意思決定と部門間の共通理解が欠かせないということです。セールスやマーケティングの方々には、ターゲティング戦略の明確化と継続的な顧客理解の重要性を強調した上で、本書『ABM入門と実践ガイドブック』に書かれている具体的なメソッドを取り入れ、効率的なビジネス成長を実現されることを期待しています。
本書の監修にあたり、「スピーダ 顧客企業分析」「スピーダ 顧客企業データハブ」(旧サービス名:FORCAS)のユーザーの皆様にアンケートにご協力いただきました。ユーザーとベンダーの関係を超えた「共創」という思想にご賛同いただき、心から感謝申し上げます。
皆様のご協力なくして本書の完成はありませんでした。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎氏
才流さんが書いたABMのガイドブック。
私は2016年にABMを日本に紹介する本を書きましたが、あれから8年が経ち、世界でも日本でもABMは大きく進化を遂げています。また当時はエンタープライズB2Bだけの戦略でしたが、今では多くの業種、業態、規模の企業が採用する戦略へと普及し、その手法もじつに多様になりました。
そんな中で、才流さんがABMのガイドブックを上梓されることはとても意義があり、現場の方々に良き指針となるでしょう。
NECソリューションイノベータ マーケティング推進本部 本部長 飯島圭一氏
長らくマーケティング業務に従事してきて、1つだけ言える事実がある。それは、マーケティングとは非常に泥臭い仕事であるということだ。優れた戦略を作っても、それが実行できなければ何の価値も産み出せない。成果を出すためには、営業と徹底的に議論をし、戦略を現場に浸透させ、プロセスを作って回していくこと。それしかない。利益を産み出すのはオペレーションなのだ。本書は、理論というよりも、オペレーションを実行するための貴重なノウハウが丁寧に解説されている。特に、組織設計のパートに関しては注意深く目を通していただくことをお薦めしたい。
ナレッジワーク 専門役員 Principal フィールドセールス 桐原理有氏
25年間エンタープライズセールスとして取り組んでいますが、正直、驚きました。
大手企業へのアプローチを行うにあたっては、ターゲットを意図して絞った上で、あらゆる手段の中から、尖った手段を選択し、苛烈に変化させながら、組織全体で実行する。そして、継続して売れる仕組みを作る。
それがABM(アカウント・ベースド・マーケティング)。
Biz組織全体で、同じ目標を持ち、実行することでしか成し得ない戦略的取り組み、だから難しい。
このガイドブックは、その広範で捉えづらいものを、言語化し、手に取れるものに見事に昇華しています。
大手企業へのアプローチを狙う、どんなフェーズにいる方にも参考になる必読書です。
私たちナレッジワークも本書にまとめられたABMの生きたナレッジを実践し、セールスイネーブルメントを実装していきます。