中小企業向けに組織開発コンサルティングサービスを提供するtriは、従業員数100名以下の会社経営者を対象に「従業員の育成・定着」に関する実態調査を実施した。
【調査概要】
調査期間:2024年5月20日~5月21日
調査方法:インターネット調査
調査対象:従業員数100名以下の会社経営者
調査人数:330名
モニター提供元:日本ビジネスリサーチ
大半の中小企業経営者が「会社の成長・拡大」を志向している
「会社を成長・拡大させていきたいと考えているか」をたずねる設問への回答では「はい」と答えた人が73.9%と過半数を上回る結果となった。この結果から、大半の中小企業経営者は、会社を成長・拡大させていきたいと考えていることが明らかになった。
会社経営をする上での課題の1位は「売上・利益の伸長」、2位は「人材育成・定着」
「会社経営をする上で、現在課題に感じていること」を問う設問の回答で多かったのは1位「売上・利益の伸長」で53.6%、2位「人材育成・定着」で33.6%、3位「人材採用」で26.6%。会社を維持・成長・拡大する上で必要不可欠な「売上・利益」と「人」に関するものが課題の上位に挙げられた。
約7割の中小企業が、「従業員の育成・定着を目的とした施策」を講じられていない
「従業員の育成・定着のための施策を行っているか」をたずねる設問では、約7割の人が「いいえ」と回答した。
従業員の育成・定着を目的として行っている施策の第1位は「社内レクリエーション」
「従業員の育成・定着のための施策を行っている」と回答した人に対して、「具体的にどのような施策を行っているか」をたずねる設問では、1位「社内レクリエーション」が40.9%、2位「1on1ミーティング」が37.1%、3位「OJT」が35.2%、4位「社内の従業員を講師にした研修・勉強会等」が33.3%、5位「社外の講師を招いた研修・勉強会等」が30.4%という結果になった。この設問では、回答率の差があまりなく、また、「その他」も10.4%の回答率を示すなど、さまざまな施策を講じていることがわかった。
約2割の経営者が「従業員の育成・定着」のために何をしたら良いかわからない
「従業員の育成・定着のための施策を行っていない」と回答した人に対して、「施策を行っていないのは何が障壁となっているか」を問う設問では、1位が「費用を捻出てきない」24.8%、2位が「育成や定着のための施策は不要だと考えている」23.1%、3位が「何をしたら良いかがわからない」20.4%という結果になった。この結果から、費用面の捻出が難しいと考えている人は多いものの、そもそも特別な施策を講じる必要性を感じていない人や何をしたら良いかがわからず、施策を講じることができていない人も一定数いるという状況がわかった。
会社の成長・拡大のために重要だと考えるファクター1位は「従業員の成長・定着」
「会社の成長・拡大のために重要だと考えるファクター」についてたずねる設問では、「従業員の成長・定着」が1位で45.4%、2位が経営者である「自分自身の成長」で36%、3位が「人材採用」で27.8%という結果になった。この結果から、会社の成長・拡大には会社で働く「人の力」がもっとも重要であると考えられていることがわかった。