LinkedInは、創業20周年を記念し、この20年間における日本のビジネスパーソンの仕事観の変化や、今後20年間に予想される変化について、日本国内の18歳から65歳の就労者約1,000人を対象に意識調査を実施した。
5割の人が、テクノロジーが進化する20年後でも「コミュニケーションスキルが必要」と回答
これからの20年間において、AI等のテクノロジーの進化や普及によって自身の仕事に影響があるかについてたずねたところ、「影響は受けない(32.9%)」がもっとも多く、「仕事が削減される(31.7%)」「新しい仕事や職種が創出される(23.3%)」「生産性が向上する(22.3%)」と続いた。
これからの20年間で変わらないであろう仕事についてたずねたところ、1位「人脈を活かす仕事(40.9%)」、2位「コミュニケーション能力が必要な仕事(39.6%)」、3位「創造性を必要とする仕事(29.1%)」となった。また、必要とされるスキルは、1位「コミュニケーションスキル(49.8%)」、2位「リーダーシップ・人材マネジメントスキル(26.1%)」、3位「問題解決力(23.7%)」となった。
テクノロジーが進化するであろう20年後でも、コミュニケーション能力は必要とされ続けると考えられていることがわかる。


20年前も現在も「身につけたいスキル」の1位はコミュニケーションスキル
ビジネスパーソンとして今、身につけたいスキルを調査したところ、1位「コミュニケーションスキル(35.3%)」、2位「問題解決力(21.4%)」、「思考力(ロジカルシンキングなど)(21.4%)」という結果となった。また、40代から60代に「20年前に身につけたいと思っていたスキル」についても聞いたところ、1位「コミュニケーションスキル(30.6%)」、2位「問題解決力(21.2%)」、3位「外国語の語学スキル(20.4%)」となった。
現在も20年前も、身につけたいスキルの1位は「コミュニケーションスキル」となり、その重要性が示唆される結果となった。


8割以上が「企業カルチャーの変化は、勤め先のビジネスにポジティブな影響与えている」と回答
回答者の78.4%が、20年前と比べて日本の企業カルチャーに変化を感じていることがわかった。感じている変化TOP3は、1位「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた(45.8%)」、2位「ワークライフバランスを重視されるようになった(40.4%)」、3位「休暇を取ることが柔軟になった(39.0%)」が挙げられ、とくに生活への変化を感じているようである。
また、企業カルチャーに変化を感じている人に、「仕事に対する価値観を含めた企業カルチャーの変化は、自身の勤め先のビジネスにどのような影響を与えていると思うか」と質問したところ、83.5%(※1)が「ポジティブな影響を与えている」と回答した。
※1「ポジティブな影響を与えている」「どちらかというとポジティブな影響を与えている」の合計

20年間でライフワークにおける優先順位は仕事から家庭に変化
全年代に、現在のライフワークの優先順位を聞いたところ、1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」となった。一方、40代から60代に20年前の優先順位を聞いたところ、すべての年代で1位は「仕事」という結果となった。
とくに、現在の20代は1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」であるのに対し、20年前の20代(現在の40代)は1位「仕事」、2位「趣味」、3位「家庭」、4位「スキルアップ」となっており、時代の変化によって仕事と家庭の優先順位が逆転していることがわかった。

20年前と比べて、月の残業時間は11時間短縮
月の残業時間について調査したところ、20年前が平均24.3時間に対し、現在は平均13.3時間と、11時間短くなっていることが判明した。

「女性管理職(※2)の比率が少ない理由」 1位は「慣習的に、男性の方が評価されやすいから」
※2「管理職」は課長級よりも上位の役職に就いている人のことを指す。
女性が管理職に就いている企業に勤めている人は51.7%であった。一方で管理職における女性の比率は24.8%にとどまった。
また、厚生労働省が行った調査では、企業の課長級以上の管理職に占める女性の割合が2021年度は12.3%だったとされている。女性管理職の比率がこの割合よりもさらに低い企業に勤めていると答えた人に、女性管理職が少ない理由を聞いたところ、1位「慣習的に、男性の方が評価されやすい(女性差別がある)から(36.8%)」、2位「妊娠や育児などを危惧して女性自身が昇進を望まないから(33.5%)」、3位「管理職は男性が担うものだと思われているから(23.6%)」という結果となった。
この20年間で、就労者の生活が優先されるように変化し、企業にもポジティブな影響を与えている一方、男性が優先して評価される慣習は残っていると見受けられる。
