セールスフォース・ジャパンは、世界各国の営業職を対象とした調査レポート 「セールス最新事情」(第5版)の日本語版を公開した。
調査概要
- 調査期間:2022年8月24日~2022年9月30日
- 調査方法:二重盲検法
- 回答者:北米、中南米、アジア太平洋、ヨーロッパの営業関係者
- 回答件数:7,775件
※回答はすべて、サードパーティのパネルプロバイダーによって収集された。
※四捨五入の関係上、比率の合計が100%にならないことがある。
※比較のための計算にはすべて合計数(四捨五入前)を使用している。
本レポートで使われている回答者グループの定義
- 営業担当者:売上目標が設定されている営業の担当者
- 営業支援部門:営業育成、収益オペレーション、案件デスクなど
- 営業リーダー:収益・営業担当の役員およびマネージャー
- 営業関係者、営業従事者、営業:上記のグループを含む、営業にかかわるすべての社員
調査結果
「効果の最大化」が営業の新たなスローガン
グローバルの69%の営業関係者が、以前より営業の仕事が難しくなったと回答。営業担当者は、競争が激化し、リソースが制約された世界に適応している。とくにサプライチェーンの問題とインフレは、世界的な懸念事項となっている。
経済情勢は安定した収益を優先する時代へとシフト。70%の営業リーダーは、以前と比べてリスクを取ることが減ったと回答している。その代わり、個人による対面販売から脱却し、部門間の連携強化を重視している。
日本でも、65%の営業関係者がこれまでより営業活動が困難になったと回答。規制の変化、インフレ、不安定な政治状況が主な外的要因と答えている。また日本の営業リーダーは、成長を促進するための戦術として、部門間連携の強化、新規市場の開拓、コスト削減を挙げている。
営業担当者は、高まる顧客の期待に応えようと尽力
営業担当者は顧客の信頼できるアドバイザーとしての役割を担い、オンラインのチャットやサポート、オンラインポータル、モバイルアプリなど、すべての適切なチャネルで高度なインサイトを共有する必要に迫られている。全体として、企業は顧客への販売にグローバルで平均10チャネルを利用しており、商談の32%がオンラインで完結すると回答している。
買い手は自身の状況に合わせてカスタマイズされたアドバイスを求めており、87%の顧客が、信頼できるアドバイザーの役割を営業担当者に期待。チーム間のコラボレーションを強化することが、営業の課題に対処するうえで効果的な方法であることを示唆している。
グローバルの営業担当者の81%は、チームセリングが商談の成約を後押しすると回答。しかし、82%の営業担当者は、ほかの営業担当者との連携には課題があると回答している。
営業オペレーションの効率化
営業活動が困難になるにつれて、多くの営業担当者の顧客とつながる時間が削られている。営業担当者が営業活動に費やす時間は1週間のうちわずか28%にすぎず、ほとんどは案件管理やデータ入力などの業務に費やされている。営業担当者は、成約に至るまでにグローバルで平均10種類のツールを使用。そのようななかで、33%の営業部門がAIを活用していると回答した。
日本では、営業チームはグローバル平均を上回る12種類のツールを使用。競合情報分析、取引先や取引先責任者の情報マネジメント、顧客関係管理(CRM)システムを上位にあげている。
見直され始めた営業の従業員体験
リソースや人員を絞り込むなかで、各営業担当者の生産性を維持し最大化することが収益にとって重要になる。現在、約40%の営業担当者が12ヵ月以内に新たな仕事を探しているか、探す予定と回答。すでに85%の営業リーダーが、必要な人員数を確保するための予算獲得に苦労していると答えている。
企業は、新たに入社した営業担当者を即戦力化し、その能力開発を加速する必要に迫られている。多くの組織において1対1のコーチングはめったに行われておらず、少なくとも週に1回コーチングを受けている営業関係者は26%、1対1のコーチングを補完できるソリューションを使用している営業リーダーは53%という結果になった。