日本能率協会(以下、JMA)は、JMAが開催している役員・経営幹部向け研修プログラムの受講者を対象に「トップマネジメント意識調査2022」を実施。その結果を発表した。
調査結果
これからの経営者に求められる資質として28項目を提示し、とくに重要であると思うもの、自身の強みであると思うものをたずねた。その結果、とくに重要であると思われる資質は第1位が「本質を見抜く力」(41.4%)、第2位が「変化への柔軟性」(37.4%)、第3位が「イノベーションの気概」(24.8%)。自身の強みであると思う資質と比較したところ、「本質を見抜く力」で18.7pt、「イノベーションの気概」で9.4ptの乖離が生じた。
また、とくに重要であると思う資質において第5位にあがった「ビジョンを掲げる力」(20.5%)でも、強みだと思う資質と6.1ptの乖離が見られ、ギャップが生じていることが明らかになった。
現在の役職への就任を打診された時点で、必要なスキルやマインド等の準備ができていたかたずねた。その結果、計40.6%が「準備ができていた」、計34.5%が「準備ができていなかった」と回答した。
経営者に必要な知識やスキルとして、すでに身につけているもの/もっと身につけておけば良かったものをたずねた。もっと身につけておけば良かった知識やスキルでは、第1位が「会社法・税法などに関する法律知識」(71.6%)、第2位が「財務・会計に関する知識」(69.1%)。すでに身につけている知識やスキルの回答と比較して、それぞれ11.9pt、19.8ptの乖離が生じた。
これまでに経営者となるためのトレーニングを受けたことがあるかたずねた。その結果、計37.8%が「受けてきた」、計61.5%が「受けていない」と回答した。
これまでに経営者となるためのトレーニングを「まったく受けていない」と回答した人以外に、これまでに受けたことのあるトレーニング機会をたずねた。その結果、第1位が「社外の経営幹部育成研修の受講」(52.3%)、第2位が「戦略・ビジョン策定プロジェクトへの参加」(50.6%)、第3位が「社内の経営幹部育成研修の受講」(49.4%)となった。
今後の経営戦略に影響すると想定される項目についての関心度合いをたずねた。その結果、「大いに関心がある」と回答した割合が高い項目は、第1位が「デジタル技術の活用、DXの推進」、第2位が「人的資本経営の推進、組織能力・人材の強化」、第3位が「テクノロジー動向の把握と対処」となった。
日本の産業界における今後の国際競争力・持続的成長、ならびに、自社の今後の競争力・成長に対する評価をたずねた。日本の産業界における今後の国際競争力・持続的成長については、計90.0%が「不安である」と回答。自社の今後の競争力・成長についても、計57.8%が「不安である」と回答した。
もっとも卓越した経営者であると思う人物をたずねた。その結果、第1位が稲盛和夫氏(50票)、第2位が松下幸之助氏(44票)、第3位が本田宗一郎氏(14票)、第4位がスティーブ・ジョブズ氏(13票)、第5位が渋沢栄一氏(11票)となった。
「トップマネジメント意識調査2022」実施概要
- 調査期間:2022年7月14日(木)~10月26日(水)
- 調査対象:上記期間内に開催したJMAのトップマネジメント研修の受講者
- 調査方法:質問紙法(研修初日に配布し、終了時に回収。オンライン参加者は後日メールにより提出)
- 回答数:278名