ラーニングエージェンシーおよびラーニングイノベーション総合研究所は、社会人2年目~4年目の900人に対し、「直面している壁」に関する意識調査を実施した。今回は、過去4回に分けて公表した調査結果の特別編として、離職意向の有無についての属性(※)で分析した調査結果を公表した。
※「あなたの転職経験や意向について教えてください」という問いに対し、「転職経験なし今後予定あり」「転職経験あり今後予定あり」と回答した人を【離職意向あり】、「転職経験なし今後予定なし」「転職経験あり今後予定なし」と回答した人を【離職意向なし】と設定している。「わからない」はその他とし対象外としている。
調査概要
ラーニングエージェンシー「若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁 特別編 離職意向別)」
- 調査対象者:22~34歳の社会人2年目~4年目の就労者
- 調査時期:2022年7月22日~7月25日
- 調査方法:調査会社によるインターネット調査
- サンプル数:900人 社会人2年目/300名、社会人3年目/300名、社会人4年目/300名
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属性
<社会人2年目>
- 性別 男性:39.7%(119人)、女性:60.3%(181人)
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所属企業の従業員数規模
1人~50人/18.7%(56人)、51人~100人/14.3%(43人) 、101人~300人/21.3%(64人)、301人~1,000人/12.7%(38人)、1,001人~5,000人/9.7%(29人)、5,000人~/11.3%(34人)、不明/12.0%(36人) -
離職意向
あり/35.0%(105人)、なし/56.0%(168人)、わからない/9.0%(27人)
<社会人3年目>
- 性別 男性/35.3%(106人)、女性/64.7%(194人)
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所属企業の従業員数規模
1人~50人/21.3%(64人)、51人~100人/13.7%(41人)、101人~300人/14.7%(44人)、301人~1,000人/15.3%(46人)、1,001人~5,000人/11.7%(35人)、5,000人~/9.7%(29人)、不明/13.7%(41人) -
離職意向
あり/34.3%(103人)、なし/55.7%(167人)、わからない/10.0%(30人)
<社会人4年目>
- 性別 男性/35.3%(106人)、女性/64.7%(194人)
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所属企業の従業員数規模
1人~50人/14.3%(43人)、51人~100人/10.3%(31人)、101人~300人/18.7%(56人)、301人~1,000人/15.3%(46人)、1,001人~5,000人/13.3%(40人)、5,000人~/19.3%(58人)、不明/8.7%(26人) -
離職意向
あり/32.7%(98人)、なし/60.7%(182人)、わからない/6.7%(20人)
調査結果
16の項目について質問し、その結果を、離職意向がある若手社員と離職意向がない若手社員でどのような違いがあるか、年次別に比較した。
社会人2年目の結果を見ると、16の項目すべてにおいて、離職意向ありの社員は意向なしの社員よりも壁を感じている結果となった。なかでも、離職意向のある社員がもっとも壁を感じている項目は「仕事を進める上で困難に感じることがある」(90.5%)となり、次に「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」(69.5%)、「仕事の判断を任される場面がある」(66.6%)と続いた。
離職意向ありとなしで差が大きく出た項目は、「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安に感じることがある」で、それぞれ意向なしよりも、31.7pt、31.5pt高い結果となった。
社会人3年目の結果を見ると、2年目と同様、離職意向ありの社員が意向なしの社員よりも全項目で壁を感じる結果となった。なかでも「仕事を進める上で困難に感じることがある」が78.7%ともっとも高く、次に「仕事の量が多いと感じることがある」(69.9%)、「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」(60.2%)と続いた。
離職意向ありとなしでもっとも差が出た項目は、「仕事の量が多いと感じることがある」で、意向ありが29.2pt高い結果となった。次に差が出た項目は「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安に感じることがある」で、意向ありが28.1pt高くなった。
離職意向のある4年目社員においても、2、3年目同様に離職意向ありが意向なしよりも全項目で壁を感じる結果となり、「仕事を進める上で困難に感じることがある」(75.5%)、「仕事の量が多いと感じることがある」(64.3%)、「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」(59.2%)、「仕事の判断を任されることがある」(59.2%)の順に困難を感じていることがわかった。
離職意向ありとなしでもっとも差が出た項目は、「職場の文化が合わないと感じることがある」で、離職意向ありが26.3pt高くなった。離職意向ありでは、年次が上がるにつれ項目の半数以上で壁が低くなる傾向があったが、「職場の文化が合わないと感じることがある」のみ、年次が上がるにつれて壁が高くなるという傾向が見られた。
離職意向ありの社員が具体的にどのような場面で困難に感じているかについて、離職意向なしの社員と違いが出た項目をピックアップし、年次別に調査した。
社会人2年目の離職意向ありの9割が選択した「仕事を進める上で困難に感じたことがある」という壁について、具体的な場面をたずねた。その結果、離職意向ありでは「自分のスキルが足りない」ときと回答した割合が30.5%ともっとも高く、意向なしより8.5pt高い結果となった。次に、「業務量が多い」(25.3%)、「業務内容が難しい」(21.1%)、「教えてくれる人がいない」(21.1%)と続き、次の「相談相手がいない(20.0%)」に関しては、離職意向ありがなしよりも11.0pt高く、もっとも大きな差が出る結果となった。
また、上記設問において、離職意向ありがもっとも高い割合で困難に感じていた「自分のスキル不足」について、具体的にどのようなスキルが不安か質問した。その結果、離職意向ありでは、「プレゼンテーション力」(31.3%)がもっとも高く、離職意向なしよりも9.1pt高い結果となった。また、離職意向ありとなしで差がもっとも大きく出た項目は「ビジネスライティング力」で、意向ありが16.0pt高い結果となった。
社会人3年目の離職意向ありの59.2%が選択した「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安に感じることがある」という壁に関して、具体的にどのような場面で不安を感じているかたずねた。その結果、離職意向ありでは「キャリアについて考える余裕がない」が29.5%ともっとも高い結果となり、次に「身近に目指すべき存在がいない」(26.2%)、「キャリアについて相談する相手がいない」(24.6%)と続いた。
「キャリアについて相談する相手がいない」では、離職意向ありがなしよりも11.1pt高く、もっとも差が出る結果となった。また、「希望していた業務ができない」では、意向ありがなしよりも10.3pt高い結果となった。
離職意向のある3年目のうち60.2%が選択した「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」について、具体的にどのような場面で感じるかたずねた。その結果、離職意向ありがもっとも高い割合となったのは「やりたい業務ではない」(22.6%)ときで、意向なしよりも9.7pt高い結果となった。次に、「仕事の意義が分からない」(12.9%)、「メンバーが変わらない」(12.9%)が入った。
社会人4年目において、離職意向ありとなしでもっとも大きな差が出た「職場の文化が合わないと感じることがある」という壁について、具体的な場面をたずねた。その結果、離職意向ありにおいては「自由度がないとき」と回答した割合が30.0%ともっとも高い結果となった。また、離職意向ありがなしよりも16.7pt高く、もっとも差が出た項目となった。
離職意向のある4年目社員の75.5%が選択した「仕事を進めるにあたり困難に感じたことがある」について、具体的な場面をたずねた。その結果、離職意向ありの44.6%が「業務量が多い」ときと回答し、離職意向なしより21.9pt高くなった。
離職意向のある4年目社員の59.2%が選択した「仕事が飽きた・つまらないと感じることがある」について、具体的な場面をたずねた。その結果、離職意向ありにおいて「やりたい業務ではない」「いつも同じ業務をやっている」ときが同率19.0%でもっとも高い結果となった。また、「やりたい業務ではない」においては、離職意向ありがなしより7.6pt高い結果となった。
最後に、彼らの求める知識・スキルを調査した。
離職意向ありの半数が選択した「現在、自分の知識・スキルに不安を感じることがあるか」という壁において、どのような知識やスキルに不安を感じているか質問した。その結果、「プレゼンテーション力」(33.3%)がもっとも高く、意向なしよりも10.1pt高い結果となった。続いて、「解決策立案」「実行力」が同率21.6%となった。
※2022年12月13日追記
「図6 社会人3年目が今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安に感じる場面(離職意向別)」について、調査元の修正発表を受け、該当箇所を正しいグラフに修正いたしました。
【修正内容】水色・青色のバナー色の変更
- 公開当初のグラフ:
- 修正後のグラフ: