2022年6月に業務提携契約を締結した凸版印刷とヘルスケアコンサルティング(以下、HCC)は、2022年10月より製薬会社向けの解析サービス構築を目的に医療ビッグデータ解析研究プロジェクトを共同推進し、本格的な協業を開始することを発表した。
2018年5月「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」の施行に伴い、医療ビッグデータの利活用が促進されている。
HCCはあらゆる医療ビッグデータの中立的・客観的な研究デザインおよび最適なデータのセレクションにより、戦略的なエビデンスを創出。臨床現場や政策現場、経営現場に実装可能なエビデンスの提供によって健康・医療問題の本質的な解決に取り組み、持続的な健康社会の実現を目指している。
一方、凸版印刷では、「健康・ライフサイエンス」領域を今後の成長領域と定め、2019年11月にICIと資本業務提携契約を締結。日本医師会医療情報管理機構が収集した電子カルテデータの匿名加工を実施することで、データベースを構築してきた。2022年4月には、これらの電子カルテデータをもとに、診断患者数・処方患者数・性別・年代などの情報を直感的な操作で分析できるツール「DATuM IDEA」を開発。製薬業界におけるより効果的・効率的な医薬品開発や知見モデル構築、個別化医療実現への貢献を目指している。
今回の提携により、DATuM IDEAに活用されている電子カルテデータの解析研究プロジェクトを共同で開始。HCCが持つ医療データ領域への知見・ノウハウをもとにした医療ビッグデータの解析や分析、評価技術と、凸版印刷が有する匿名加工された電子カルテデータおよびDATuM IDEAをかけ合わせることで、医療ビッグデータ事業の拡大と医療分野の研究開発などにつながるサービスを開発する。具体的には、時系列での患者の経過分析や疾患ごとに治療経過を把握するための診療フロー分析などに対応できる解析レポートサービスの提供を目指す。