「Job総研」を運営するライボは、605名の社会人男女を対象に「2022年 ハラスメント実態調査」を実施した。
43.6%が過去1年間でハラスメントを実感
過去1年間でのハラスメント被害の経験を尋ねると、43.6%が何かしらのハラスメントを感じた旨を回答。「実際にハラスメントの被害を受けた」は31.9%、「当事者ではないが社内でハラスメントがある」は11.7%であった。過去に同社が実施した調査と比較すると、「ハラスメントを感じた」の数値は2021年調査では46.5%、2022年は43.6%であった。
ハラスメントの内容については「パワハラ」が最多の64%で、2021年から15.7ポイント減少した一方、「リモハラ」「コロハラ」はそれぞれ20ポイント増加する結果に。
コロナ禍とハラスメントの関連性を探る設問では、55.4%が「影響している」と回答。コロナ禍の影響で増加したハラスメントについては「コロハラ」が37.5%、「リモハラ」が35.9%、「パワハラ」が21.7%であった。
ハラスメントの加害者「直属の上司」が約7割と最多
ハラスメントの加害者を尋ねる設問では、「直属の上司」が68.2%と最多で、次いで「先輩」が30.3%、「同じ地位・役職者」が20.1%であった。
被害の頻度「週に数回以上」が半数超え
ハラスメント被害の頻度を尋ねると、「ほぼ毎日」が20.8%、「週に数日」が34.5%と、計55.3%が週に数日以上被害を受けている様子が明らかに。なお、「月に数日」は29.5%、「年に数日」は15.2%であった。また、被害を受けたハラスメントの現状については「転職を考えている」26.6%と「転職した」23.1%を合算した49.7%が「転職」という手段で自己解決していることが明らかに。
ハラスメントによって「精神的に不安定になった」45.5%
ハラスメント被害による自身への影響を尋ねると、「精神的に不安定になった」が45.5%ともっとも多く、次いで「体調を崩した」が33.3%、「自分を責めるようになった」が23.9%という結果に。
勤務先のハラスメント防止策「対策なし」が3割以上
勤務先でのハラスメント防止対策の有無を尋ねる設問では、「十分な対策がされている」が24.2%、「十分ではないが対策がされている」が44%と計68.2%が何かしらのハラスメント対策が行われている様子が明らかに。なお、「対策なし」は31.8%であった。
なお、対策の中身については「相談窓口を設けている」が51.4%と最多で、次いで「ガイドラインの周知」が38.5%、「研修および教育を実施」が31.1%という結果に。
回答者のコメント
- テレワークが主流になりコミュニケーションが激減したので、誤解が生まれて受け手がハラスメントととらえる機会が増えている気がする。
- テレワークにより誰が何を話しているかが不透明になりがちで、自分の知らないところで陰口を言っている噂を耳にすることが多くなりました。
- 明らかなハラスメント事案であっても将来のキャリアを守るために泣き寝入りするケースが多いように思います。
- 相談窓口は形だけのもので、当事者は相談することすら躊躇するものです。社内で防止対策を設けていても実質機能していない。
調査概要
- 調査対象:20人~1000人以上規模の会社に所属する社会人男女605名
- 調査期間:2022年3月16日~22日