帝国データバンクが2021年の上場企業倒産に関する調査を実施した。2021年の上場企業倒産は12月29日17時時点でゼロ件であった。このまま推移すれば上場企業における法的整理の発生はゼロで終わる見通しだ。上場企業倒産「ゼロ」は2016年以来5年ぶりで、1964年以降、1987~90年、2014・16年に次いで7回めとのこと。上場企業の倒産は、リーマン・ショックの影響が広がった2008年(33件)をピークに、以降は減少傾向が続いている。前年の上場企業倒産は9月に破産したアミューズメント機器卸のNuts(ジャスダック)と、5月に民事再生となったアクアスキュータムなどのアパレルブランドを擁するレナウン(東証1部、のちに破産)。
“ゼロ”の一方、子会社の解散・清算などグループ再編は進む
上場企業では事業再編が続いている。2021年の上場廃止企業は89件と過去5年で最多となり、グループ経営の強化を図る目的でホールディングス化による上場廃止が目立つなど積極姿勢がうかがえた。また、上場企業子会社の解散・清算も84件に達し、上場子会社の整理を目的とした特別清算による処理も発生。「多くの企業の決算が集中する3月をにはさらなる動きも予想される」と同社は考察した。