セールスフォース・ドットコムは、全日本空輸がデジタルトランスフォーメーションの推進による顧客体験価値の向上を実現するために構築するAPIプラットフォーム基盤にMuleSoftを採用したことを発表した。なお、認定パートナーとしてはフレクトも参画する。
新型コロナウイルス感染症の影響を背景に、航空業界では需要の「質」と「量」が大きく変化している。ANAは多様化・高度化する航空旅客のニーズに対応して顧客体験価値の最大化を図るとともに、航空に留まらない価値の創出のためグループ全体で顧客のライフタイム・バリューの最大化を図るべく、ビジネスモデルの変革を推進している。
そうしたなかで、同社はオンラインとオフラインをつなぐ重要な顧客接点であるANAウェブサイトやANAアプリを再構築するプロジェクトを立ち上げた。そこでは既存システムとのAPIによる連携基盤の刷新に加えて、市場や顧客行動の変化や最新のテクノロジーへのスピーディな対応が可能な次世代のDX基盤としてMuleSoftのソリューションを採用した。
ANAはMuleSoftを導入したAPIプラットフォームの構築によって、顧客データを含むさまざまなデータおよびシステム資源を最大限活用するための仕組みをつくり、APIを疎結合させるインテグレーションとAPIゲートウェイの基盤を導入。ひいては将来的に柔軟な機能拡張を実現するプラットフォームの構築など、DXのための取り組みを推進する。
MuleSoftは、世界的に高い信頼性を誇るiPaaS/API管理の統合プラットフォームであること、マイクロサービスベースの疎結合アーキテクチャをローコードで構築可能であること、さらには内製化支援の実績が豊富であることが高く評価され、採用された。
システムは2022年度上期に本稼働開始を予定しており、MuleSoft導入にあたってはフレクトが知見と実績を活かしてプラットフォームおよびAPIの設計・開発、既存システムとの連携含む導入を支援する。今後、航空・旅行事業関連のアーキテクチャの中で1,000個以上のAPI開発と稼働を担うAPI基盤として構築し、その後に再利用率を高めながらAPI開発/インテグレーション開発および運用効率高め、市場の変化や顧客体験の変革スピードを高めていく方針だ。
全日本空輸の執行役員デジタル変革室長 荒牧秀知氏のコメント
航空業界を取り巻く環境変化は目まぐるしく、また顧客ニーズも多様化するなか、いかにお客様の求めるサービスを早くご提供できるかが重要となっております。この度、私たちはデジタル領域において重要な顧客接点であるANAウェブサイトの再構築を通じて、お客様にとって価値の高いサービスをスピーディに提供する次世代プラットフォームの導入検討を進めてきました。
MuleSoftを採用した理由は、API主導の考え方の元、設計から開発、運用までのAPIライフサイクル管理がひとつのプラットフォームで実現できる点でした。流用性が高く、価値の高いAPI部品をこのプラットフォーム上で構築、拡張、運用していくことができれば、間違いなくこれまで以上にお客様に喜んでいただけるデジタルサービスをスピーディにご提供できると信じています。