4月下旬に2021年度新入社員研修を完全オンライン形式で実施した凸版印刷は、今年度の新入社員研修においてVR映像による体感型研修や、オンライン上における新入社員同士のコミュニケーション施策を新たに導入したことを発表した。また、バーチャル空間上にトッパン小石川本社ビルを再現した「VRオンライン研修センター」をメイン会場とする、新たな学習環境を構築したことも明らかに。
2021年度新入社員研修における主な成果は、次のとおり。
- 「文化教養VR研修」の導入および「VRオンライン研修センター」におけるオンラインアート展示会による作品鑑賞を通じて、「多様性」「独創性」に富む「豊かで美しい感性」を養う「Toppan Sense」の達成度が93%(昨年比+27%)と上昇。
- 「考える・書く・伝える力の養成」プログラムにおけるeラーニングと生配信講義を組み合わせたブレンディング型プログラム、紙製ヘッドマウントディスプレイ「VRscope」でVR映像を視聴する体感型研修プログラムの導入により、社員として身につけるべき技能を習得する「Toppan Skill」の達成度が96%(昨年比+21%)と上昇。
- 新入社員 464人の1人ひとりの「30秒自己紹介動画」と、班を超えて「同じ趣味嗜好の同期が集う部屋」の導入により、オンライン上での「同期ネットワークの構築」の達成度は77%(昨年比+18%)と上昇。
- メイン会場として「VRオンライン研修センター」を導入することにより、デジタルオフィスへの出社の体感度77%を達成。現地を見学予定だった「トッパンホール」や「印刷博物館」のバーチャル見学を実現。
結果報告
オンライン研修全体について
研修最終日に毎年実施している、凸版印刷に関する基盤知識や制度を問う「総括アセスメント(講義全体を包括する総合テスト)」の平均点数が、昨年と同じ95.9点となり、多くの新入社員が基盤知識を身につけることができた。
また約90%の社員が90点以上となり、多くの新入社員が凸版印刷で働くうえでの基盤知識を身につけることができた。
要因としては、受講者の約79%(昨年比+3%)が復習のために動画コンテンツを見返していることが挙げられる。研修内容を何度も見返すことはリアル研修では難しく、オンライン化のメリットを活かせたと推測される。
来年度に向けては、さまざまなテクノロジーを活用することで、バーチャル工場見学を初めとして、学びを最大化させるコンテンツの拡充や、オンライン上でのコミュニケーション施策を強化。
「VR オンライン研修センター」は、時間と空間を超越した「デジタル空間」と「リアル空間」をシームレスでつなぐグローバル教育プラットフォームへの進化を目指す。また、さまざまな外部有識者や空間と連結し、次世代の人財育成についての知識を社員1人ひとりが身に付けられる環境を用意することで、知の統合によるイノベーションの創造につなげていくとのこと。