グローバル人材に特化した人材紹介会社エンワールド・ジャパンは、企業のテレワーク実施状況についてアンケートを行い、テレワークを実施しているグローバル企業189社から回答を得た。調査結果の詳細は、次のとおり。
8割が「7月以降もテレワーク継続」。「全社員対象に継続」の理由、第1位は「社員の安全確保」
現在テレワークを実施している企業に、「7月以降もテレワークを継続する予定か」とたずねたところ、約3割が「全社員を対象に継続」(外資系企業:28%、日系企業:24%)、5割が「一部社員を対象に継続」(外資系企業社員:51%、日系企業:50%)と回答。それぞれの理由を聞いた。
「全社員を対象に継続」と回答した企業の第1位は「社員の安全確保」で84%(外資系企業:91%、日系企業:63%)。外資系企業では7割以上が「柔軟な働き方の実現」「社員のワークライフバランスの充実」「テレワークでも業務に支障がない」と回答し、安全面以外の観点からもテレワークの継続にポジティブな意見であることがうかがえた。
「一部社員を対象に継続」と回答した企業の第1位は「職種や業務の都合で出勤せざるを得ない人がいるため、全員対象にできない」(外資系企業:100%、日系企業:88%)だった。日系企業では「社員全員のテレワーク環境が十分に整っていない」が半数を超えた。(外資系企業:7%、日系企業:53%)
「継続しない」と回答した企業の第1位は「会社の方針」(外資系企業:67%、日系企業:100%)という結果となった。
約5割「半永久的」にテレワーク継続 頻度は「週に2~3日」が最多
いつまでテレワークを継続する予定かたずねたところ、約5割が「半永久的」(外資系企業社員:52%、日系企業社員:36%)と回答。外資系企業が日系企業を16ポイント上回った。
どの程度の頻度でリモートワークを実施する予定かたずねると、もっとも多かったのは「週に2~3日」で42%(外資系企業:37%、日系企業:56%)となり、「週5日・全営業日」と回答した企業は16%(外資系企業:18%、日系企業:8%)にとどまった。
テレワークでの社員の業務パフォーマンス「変わらない」が最多に
テレワークを導入している企業に、テレワーク導入後に社員の生産性・業務パフォーマンスがどのように変化したかたずねたところ「変わらない」と回答した企業がもっとも多く42%(外資系企業:45%、日系企業:35%)という結果に。
会社としての課題、第1位は「社員間のコミュニケーション」
「テレワークで会社の課題となっているのはどのような点か」とたずねたところ、第1位は「社員間のコミュニケーション」(外資系企業:67%、日系企業:74%)だった。第2位は、外資系企業では「社員のモチベーション・エンゲージメントの維持」(外資系企業:50%、日系企業:56%)、日系企業では「ネットワーク・通信環境」(外資系企業:40%、日系企業:65%)となった。
外資系企業と日系企業でもっともポイント差が大きいのは「社員の評価体制」で30ポイント差。結果重視で評価する文化の強い外資系企業では問題視されている割合が少なく、外資系企業と日系企業の評価体制に差があることが推察できる。
テレワーク定着のために実施していること第1位は「チームのコミュニケーション回数を増やす」
「テレワークを定着させるために実施していることはあるか」とたずねたところ、第1位は「チームのコミュニケーション回数を増やす」(外資系企業社員:47%、日系企業社員:45%)、第2位は「テレワークで効果を上げるためにどのようなサポートが必要か社員に聞く」(外資系企業:44%、日系企業:33%)。日系企業では「業務やタスク量の可視化をする」が同率2位となった。
社員への利点第1位は「通勤時間の削減、満員電車によるストレスの低減」
「テレワークのどのような点が社員の利点になっていると思うか」とたずねたところ、第1位は「通勤時間の削減、満員電車によるストレスの低減」(外資系企業:96%、日系企業:100%)、第2位は「時間をフレックスに使える」(外資系企業:67%、日系企業:71%)に。
オフィスの撤退・縮小をした企業は6%にとどまる
2020年2月以降、新型コロナウイルス流行の影響を理由として、オフィスの撤退・縮小を行ったかどうかたずねたところ、オフィスの撤退・縮小を行った企業は6%にとどまった。
調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査地域:全国
- 調査実施期間:2020年6月29日~7月2日
- 有効回答数:189社
- 回答者所属企業:外資系企業 69%、日系企業 31%