雑務をゼロにすれば、営業は「やりたいこと」に集中できる
──そうした経験を経て、現在Algomaticでは「ウェルビーイングなレベニュー組織づくり」を目標に掲げていらっしゃいます。この言葉に込めた想いを教えてください。
根本にあるのは、人はやりたいことをやっているときにいちばんパフォーマンスを発揮するという考え方です。厳しいと言われる会社でも、社員に嫌なことをさせたくてやらせている会社はないはず。問題は「最低限やらないといけないこと」が塵も積もって増えすぎていることです。
雑務に追われた結果、仕事全体が「やりたくないこと」になってしまっている。だから、雑務がほぼゼロになれば、みんなやりたいことに集中できるんじゃないかと。その有力な手段のひとつがAIです。AIが雑務を減らし、空いた時間でやりたいことを意図的に選んで120%のパフォーマンスを出す。それがウェルビーイングなレベニュー組織であり、成果を出し続ける組織になるという確信があります。

──具体的に、Algomaticの営業組織ではどんなAI活用をされていますか。
社外向けに開発・提供している、アポ獲得を支援する営業AIエージェント「アポドリ」を社内でも活用していますし、それ以外でもビジネスメンバーも積極的にAIを活用しています。大事なのは、何でも自動化するのではなく「ユースケースを定めること」。何を効率化するかは、実際にその業務に携わっているメンバーから出さないと的外れになります。CRMの自動更新や商談後のフォローメール自動生成などから運用を回していますね。
──そうした効率化の結果、現場にはどんな変化がありましたか。
対面商談の量が明確に増えました。商談数自体は変わっていませんが、1社あたりにかけられる時間が増えている。商談後のメールはほぼ自動で完成していて、営業がチェックして送るだけ。顧客体験を損なわずに、お客様と向き合う時間を増やすことができています。

ただし、当社に限らず、営業組織のAI活用が部分的なものにとどまってしまっている側面もあります。たとえば、今ある業務フローA・B・C・Dのうち、BとCだけAIに置き換えようという議論が多いですが、AI時代にはそもそもまったく別のワークフローがベストかもしれない。AIネイティブな会社として、営業組織や営業活動のあり方をゼロからつくり直すことに本気で取り組んでいくつもりです。
──なるほど。それは楽しみなチャレンジですね。一方でお客様と向き合ううえで、変わらずに大事にしている考え方はありますか。
「失注した」というとらえ方をしないことですね。厳密には営業シーンにおいて失注は存在しないと考えています。多くの会社が「自社が買ってほしいタイミングで発注をもらえないこと」を失注と呼びますが、それはおこがましい話ではないでしょうか。
なぜなら、存在しているのは、お客様の検討サイクルと自社の提案タイミングがずれていたという事実だけだからです。だからこそ「困ったらAlgomaticの藤本に連絡しておくか」と思ってもらえる関係を築くことが大事で、それが事業価値に跳ね返ってくるものです。
