数年前の「期待値1.1」が、大きな利息となって返ってくる
飯髙 萩坂さんの「選ばれたエピソード」を聞かせていただきたいです。僕の場合だと、何年か仲良くしていた方が急に大きな仕事を振ってくれた、なんてことが最近増えてきた気がします。

萩坂 直近だと、かつてお付き合いのあった大手コンビニを退職された方から、5年ぶりくらいに電話をいただきまして。その方が同期の中でも「いちばんの出世頭」と言われる方と食事をしていたそうなんです。今後のビジネスについて語り合う中で、ふと僕の名前を思い出してくれたらしくて。それで翌々週には愛知まで行って、3人で食事をしてきました。
飯髙 すごい。わざわざ思い出して連絡をくれるなんて、相当なインパクトが残っていたんでしょうね。
萩坂 ありがたいことに、「あのとき、萩坂さんに相談したら、いつも期待以上の答えが返ってきたから。またいろいろと相談したい」と言っていただけて。実は今日も、その中のおひとりが役員を務める会社から、具体的な仕事の相談を受けてきたところなんです。
飯髙 例えがいいかわからないですが、数年前の貯金がいま、利息付きで返ってきている感じですね(笑)。

萩坂 本当にそうですね。当時はビジネスを無理に広げようと計算していたわけではないんです。でも、目の前の仕事に全力で向き合っていたことが波及して、今また声がかかる。こういう瞬間に巡り合うと、「あのときの自分の営業活動は正解だったんだな」と答え合わせができたような、深い満足感がありますね。
飯髙 当時の活動の中で、相手が悩んだときにパっと思い浮かぶ「想起される状態」を自然と作れていた。これこそが、関係性と信頼性の究極のかたちだと思います。それで言うと、見返りを求めていないからこそですね。
萩坂 まさにそうでして、結局、根っこが「ギバー」体質じゃないと続かないんでしょうね。損得勘定で動かず、目の前の人の期待を少しだけ超え続ける。その姿勢が、長い時間をかけて自分を助けてくれるんだと感じています。
もっと「非合理」になれ!
飯髙 最後に、営業組織のリーダーや現場の営業パーソンたちにメッセージをいただけますか。

萩坂 「もっと非合理になれ!」と言いたいです。「期待値1.1」を追求すれば、いつか必ず返ってきますから。ただ、そのためには相手の期待を知らなければいけない。つまり、相手への想像力が重要になってくるんです。
飯髙 テイカーにならずに、相手の期待を超えていけるか。僕は法人向けのギフトサービスを提供していますが、会食のお礼にギフトを送る際、「御社のお役に立てると思っているので、ぜひ営業をさせてください」と添えてしまう人がいます。
萩坂 必要ないですよね。まずはギブに徹すべき。でも、それは営業個人の問題ではなく、会社の厳しいノルマゆえの動きかもしれない。組織として、ギバーであること、期待値を超えることを徹底しないと、現場だけでそういう動きはできないですよね。
飯髙 今日のお話を聞いていて、相手の期待値を超え続けることができれば、営業の上位層に入れる未来が見えてきた気がします。
萩坂 そうですね。社会全体が合理主義者になりすぎているなかで、常に期待値を超えられる営業は目立つことができる気がします。
とはいえ、売上を上げることも営業の重要な役割ですから。そのうえで、ロジックと感性を行き来することが必要です。いま自分がどちら寄りになっているのか、きちんと自覚することから始めていくと良いのかもしれないです。
飯髙 とても良いスタンスを教えていただけました。本日はありがとうございました!
