「顧客の声」×「顧客属性」×「商談結果」で「誰に、なぜ売れるか」を科学する
対面会話データから得られる「顧客の声」は、CRMに蓄積された「顧客属性」(業種、企業規模、役職など)や「商談結果」といった定量的なデータと組み合わせることで、より強固なデータとなります。
たとえば、過去に受注・失注した商談データと対面会話データを掛け合わせることで、成約につながったトークスクリプトや、失注の原因となった会話パターンを特定できます。
そうすると、現場の担当者が抱えている「この属性の顧客にはどのような訴求をすると効果的なのか」「成約につながりやすい会話のパターンは何か」「決裁者に刺さるひと言はどのようなものか」といった疑問も解消することが可能となるのです。
ある日系自動車ディーラーでは、対面会話解析AIを活用して、お客様の声(VoC)のデータ化に取り組みました。膨大な商談データから<新車名>が出現した会話を解析したところ、次のような考察を得ることができました。
■機能面での評価
- 安全性が高い/充実
- ナビシステムが標準装備
- スマートフォン連携が可能
- 後部座席が広い
- 全方位カメラがついている
■非機能面での評価
- 内装の質感が良い
- デザインが良い
- 乗り心地が良い
- 視界/見晴らしが良い
製品カタログに記載されている「機能」だけではなく、「非機能」の面でも顧客の評価が得られていることがわかり、次回の販促訴求内容の検討材料として役立てることができました。
このように、「顧客の声」×「顧客属性」×「商談結果」の情報を組み合わせることで、製品開発やマーケティングへの意思決定材料として活用できるのです。

営業データがマーケティング・製品開発を加速させる
対面会話解析AIの真価は、営業部門の枠を超えた活用にあります。商談データには、顧客からの要望、不満、期待、競合他社に対する評価など、商品開発やサービス改善に直結する貴重な「顧客の一次情報」が詰まっています。
営業部門が蓄積した顧客の声を分析し、マーケティング部門や製品開発部門がこれらのデータにアクセスすることで、次のような効果が期待できます。
●マーケティング戦略の最適化:顧客が抱える具体的な課題や関心事を把握することで、ターゲットに響くメッセージやコンテンツを企画できます。
●製品開発・改善の加速:「〇〇機能が不足している」「アフターサポートが不十分だ」といった具体的な声は、製品開発やサービス改善の優先順位を決定する重要なインサイトとなります。より市場にフィットした競争力のある商品・サービスを迅速に生み出すことができるでしょう。
