Zoom Video Communications, Inc.はカリフォルニア州サンノゼで開催されたZoomtopia 2024において、ZoomのAI ファーストのワーク プラットフォームである 「Zoom Workplace 」の新機能を発表した。
リリースの背景
新機能には、Zoom Workplace全体でユーザーの効率的な作業をサポートするAIパーソナル アシスタントであるAI Companion 2.0、AI Companionを使用して会話内容をアクションに変換するZoom Tasks、通話中に最新情報を把握できるようにするZoom Phoneのリアルタイムの要約と質問、ミーティング中にも重要なトピックを確実にカバーできるように支援するAI Companionを使用したミーティング アジェンダ作成機能などが含まれる。
AI Companionを使って、仕事の効率をあげる
ユーザーは1日の業務の中で、タスクの準備や優先順位づけに時間を費やしている。Zoom Workplace向けZoom AI Companionは、業務を簡素化し、生産性とコラボレーションを促進させる。
AI Companion 2.0:Zoom Workplaceアプリ内の新しいサイドパネルで、ユーザーが業務に集中できるように、ユーザーの状況を理解し、プロンプトを提案してサポートする。このサイドパネルを使ってZoom Meetings、Zoom Team Chat、Zoom Docsなどの情報を統合し、状況を把握してアクションを起こすことができる。AI Companion 2.0は Zoom の有料プランに追加料金なしで利用可能で、提供開始を発表した。AI Companion 2.0は Zoom Workplace とウェブ全体にまたがって動作し、Microsoft OutlookおよびOffice、Gmail、Google カレンダー、Google Docsとの連携が可能。
Zoom Tasks:Zoom AI Companionを搭載した新しいAIファースト ソリューションで、Zoom Workplace全体で動作し、ミーティング、通話、チャット、ドキュメント上などのさまざまな会話に基づいてタスクを検出、提案、完了するのに役立つ。 また、ユーザーは作業を通じ、連携したサードパーティ製アプリとタスクを同期して、アクション アイテムを追跡することもできる(Zoom Tasksは2024年後半に提供を開始予定)。
更新されたホームタブ:ユーザーが重要なミーティングを一目で確認でき、「チームの結束を高めるアクティビティのアイデアを出し合いましょう」や「今日はどんなミーティングがありますか?」といったプロンプトを使ってAI Companionとやりとりできる、一元化されたハブ(更新されたホームタブは、2024年10月に提供を開始予定)。
Zoom Phoneでの質問やリアルタイムの要約:Zoom Phoneの通話中にZoom AI Companion を使用することで、会話の流れを妨げることなく、「合意したアクション アイテムを要約」や「先ほど話し合った期限を確認」といったプロンプトを通話中に提供する。本機能により、もっとも新しい情報を入手し、通話に集中することができるようになる(リアルタイム要約と質問は、2025年3月に提供開始予定)。
ダイナミックなボイスメールのあいさつ:AIの力を活用し、Zoom Phoneユーザーはカレンダーのイベントに基づいて、パーソナライズされたボイスメールのあいさつを自分の声で自動的に作成することができる。たとえば、ユーザーが旅行中で電話に出られない場合、システムがユーザーの旅行状況を反映したユニークな音声メッセージを生成し、通話者にユーザーの対応可能状況を通知することができるため、手動での更新の必要はない(本機能は2025年 3月に提供を開始予定)。
AI Companionを使用して、効果的なコラボレーションを図る
Zoomは、Morning Consultと共同で実施したグローバル調査の結果を発表した。この調査で人々がどのような共同作業を好むか、また共同作業の妨げの要因は何かを調べた結果、3分の1以上のリーダーが、1日1時間以上を効率の悪い共同作業に関連した問題を解決するために費やしていることがわかった。このような問題の発生を未然に防ぐため、Zoom AI Companionは同僚との共同作業を容易にし、ユーザーがより効果的に共同作業を行えるようサポートし、ミーティングをより生産的にする。
Zoom Docsの改善:Zoom Docsは、効率的でダイナミックなハイブリッド コラボレーションを可能にする、AIファーストのドキュメント共同作成ソリューション。2024年 8 月に提供を開始した Zoom Docsは発表後も開発が進められており、12月からは次の新機能が順次公開される予定である。
- AI Companionの機能により、ユーザーは製品仕様書といった特定のシナリオに合わせたプリセットのテンプレートや、さまざまなデータソースを選択し、効率的な文書作成が可能に
- チームが、ミーティング内容を要約、再利用、共有できるように、ミーティング資料からドキュメントを作成
- 新しい組織と権限オプションにより、ドキュメントをフォルダで整理したり、特定のユーザーグループと1ページだけを共有することも可能になる
- タイムライン、フォーム、チャート、別のテーブル内のデータを参照するカラムといった、データテーブルの表示とカラムの種類が増え、データやプロジェクトの管理が用意になる
- APIとワークフローの自動化により、Zoom Docs Zoom Workplace内の他のプロダクトやサードパーティ製アプリケーションに容易に接続し、一般的な操作を自動化して生産性を向上させる
AI Companionによるミーティング アジェンダ作成:ミーティング アジェンダ機能を使用することで、ユーザーはZoom AI Companionを活用してミーティング前に整理されたアジェンダを作成し、おすすめのコンテンツを取り入れて、ミーティングが予定通り進行するようセクションごとの時間を追加できるようになる。また、ミーティングの進行に合わせてリアルタイムで要約とアクション アイテムを共有することが可能になる(ミーティング アジェンダは、2024年12月に提供を開始予定)。
サードパーティのドキュメント コラボレーション:MicrosoftおよびGoogleのドキュメント、プレゼンテーション、スプレッドシートでの共同作業を、Zoom Workplace全体で効率化する。ユーザーは、Zoom MeetingsとZoom Team Chat内で直接ドキュメントの閲覧および共同編集が可能になる(本機能は、2024年後半に提供を開始予定)。
AI Companionでクリップ用アバターを作成:AI Companionを使用してテキストからZoom Clipsを生成することで、時間と労力を削減できるようになる。アバターとオーディオのライブラリから選択してスクリプトを入力すると、AI Companionが不正利用防止のための安全対策を備えたクリップを作成する(クリップ用アバターは2024年12月に提供を開始予定)。
AI Companionを活用して、対面時間を効率化
AI Companionによる対面ミーティング対応:AI Companionにより、対面でのミーティングが容易になる。モバイル デバイスを使用してAI Companionでメモを取り、ミーティングの重要なポイントを把握することができる。これにより、AI Companionの文字起こし機能や要約機能を利用するためだけに、オンライン ミーティングを設定する必要がなくなる(AI Companionによる対面ミーティング対応は、2024年12月に提供を開始予定)。
Zoom Rooms
Zoom Roomsインサイト:システム管理者は、AIを活用した実行可能なインサイトと分析によって、Zoom Roomsの利用状況を管理ダッシュボードから確認できるようになる。これらのAIインサイトは、ミーティング ルームの使用を最適化するために具体的な変更を提案する(Zoom Roomsインサイトは、2025年初頭に提供を開始予定)。
スマート スピーカータグ:スマート スピーカータグは、Zoom Room内で話者を識別し、現在利用可能なスマート名前タグと組み合わせることで、話者のネームタグをハイライトしてアクティブなスピーカーを表示する。スマート スピーカータグは、ミーティング中や終了後に字幕、文字起こし、AI Companionのミーティング要約に表示されることで、効果を発揮する(スマート スピーカータグは 2024年10月に提供を開始予定)。
Zoom Rooms向けカスタムAV:AV出力タイプにより、今後さまざまな統合が可能になる。機能強化によりシステム インテグレーターは、複雑な技術要件やコンバータを必要とせずに、スペースを構築できるようになる(Zoom Rooms向けカスタム AV は、2024年10月にパブリックベータ版を提供開始予定)。
Zoom Rooms専用ハードウェアがインテリジェント ディレクター(※)に対応:Zoom Rooms専用ハードウェアである Logitech Rally BarおよびRally Bar Miniは、AI搭載の卓上カメラLogitech Sightと併用することで、インテリジェント ディレクターに対応する(2025年1月に提供を開始予定)。
※インテリジェント ディレクター:複数のカメラと最新のAIテクノロジーを使用して Zoom Rooms内の個々人のベストアングルを判断し、ミーティング画面に表示する機能
新しい認定デバイス:HP Polyは、Zoom Rooms用の認定デバイスのポートフォリオを拡大し続けており、Poly Studio G62モジュラー式会議室用システム、Poly Studio X52、V52、X72ビデオバーが含まれています。これらの AI搭載のビデオ エンドポイントにより、ミーティング中の参加者の映像と音声がもっとも適したものになる。
ワークスペース予約
ワークスペース予約向けAI Companion:AI Companionは、オフィスにいる予定の同僚をユーザーに伝えたり、メッセージでデスクや部屋を予約したり、同僚と会うためにユーザーがオフィスに来るのにもっとも適した日を推奨できるようになる(ルーム予約のおすすめ機能は今年後半に提供を開始予定。AI Companionによるワークスペース予約は2025年3月に提供を開始予定)。
Zoom Roomsのセンサーベースの在室状況トラッキングとチェックイン:Zoom Roomsは、部屋の在室状況をトラッキングして、ワークスペース予約で部屋の空き状況をほぼリアルタイムで表示できるようになる。また、ミーティング ルームに入室すると、ワークスペース予約に自動的にチェックインする(これらの機能は、対応するハードウェア センサー機能を備えたZoom Rooms向けに、2025年3月に提供を開始予定)。
配送管理:システム管理者は、荷物や郵便物をスキャンし、自動的にメールやチャットで従業員に配送を通知することができる。従業員はキオスクで配送物の受領に署名することができ、システム管理者には配送のログと履歴が提供される(配送管理は 2024年12月に提供を開始予定)。
AI を活用して従業員のエンゲージメントを高める
Zoomは、Workvivoの新しいアップデートにより、企業による効果的なコンテンツ作成を支援し、さまざまな働き方の従業員をサポートする従業員体験を提供する。
Workvivo向けAI Companion:Workvivo向けAI Companionを使用すると、AIがアンケートなどの社内コミュニケーション コンテンツを生成する。また、従業員の業務をサポートする質問をすることも可能になる(Workvivo向けAI Companionは、2025年第1四半期に提供を開始予定)。
Workvivo Employee Insights:従業員の体験を測定、理解、改善しやすくする従業員リスニング ツールで、従業員のエンゲージメント、幸福度、パフォーマンスの向上を支援する。システム管理者は定期的に匿名の自動パルスサーベイを送信し、エンゲージメントとその要因を長期的に測定することができる。
管理者向け AI Companion と Zoom Workplace ダッシュボードで管理性を向上
AI Companion 2.0の会話型インターフェースは、管理用ウェブポータルで利用可能になり、システム管理者の業務効率を向上させる。2025年前半には、Zoomの管理者はAI Companionを活用することで、新しいZoom製品や機能の導入にかかる設定やセットアップの時間を削減できるようになり、効率的に導入できるようになる。
管理者は、「ユーザーのAI Companionを有効にするにはどうすればよいですか?」や「グループを作成するにはどうすればよいですか?」といった自然な言葉で質問することができ、正確で文脈を理解した実用的な回答を受け取ることが可能になる。また、明示的な同意のもとで、自動的にセットアップを行うこともできる。AI Companionは、事前に定義された特定のプロンプトを通じてユーザーへのメッセージを作成し、ユーザーのオンボーディングを支援し、その価値を伝えるのにも役立つ。
さらに管理者は、新しいZoom Workplaceダッシュボードにアクセスできるようになる。このスマート ダッシュボードは、オンボーディングや職場管理を含むZoom導入の各段階で、管理者に重要なインサイトを提供するように設計されている。ダッシュボードの機能は、次のとおり。
- 組織全体におけるZoom Workplaceの利用状況と利用率の全体像を把握することができる
- Zoom Workplaceの導入をもっとも適したものにするための AI ベースの推奨事項を示す
- 質問への回答、インサイトの提供、レポートの作成を行うパーソナル アシスタントとしてAI Companionを利用することができる
Zoom Workplaceダッシュボードは、2024年12月に提供を開始予定。また、管理者向けダッシュボードのAI Companion機能は、2025年前半に提供を開始予定である。
Zoom 最高製品責任者 Smita Hashim氏のコメント
我々は Zoom Workplace を、ユーザーが日々の業務を効率的にこなし、より多くの成果を出せるよう支援する AI ファーストの体験へと大きく変革しました。AI Companion 2.0 や AI ファーストである Zoom Tasks などの新機能は、一日を通じて情報を収集し、それらをユーザーのためのアクションに変換することで、効率的に作業を進められるように設計されています。これによりユーザーは、無駄を省いてより楽しく仕事をすることができます。