リストの「マッチ率」「属性情報の付与率」に課題
受注確度の高いリストをつくれない理由について、塩貝氏は「データベースの問題で、ターゲティングが上手くできていなかった」と分析する。当時は全社でSalesforceによって企業リストを管理していたが、そもそも既存のデータベースツールのマッチ率が低く、さらにSMBや病院・士業などの情報が不足していること、十分に属性情報の付与ができていなかったことが課題としてあった。
同社が挙げた当時のマッチ率88%、属性情報の付与率85%というのは、そう低い数字には思えない。しかし、たとえば1万件の88%の8,800件がマッチしたとして、うち情報付与率が85%となればリストの数は7,480件となる。25%が顧客情報が付与されないリストであり、新たにターゲットとしたSMBや病院・士業は含まれないとなれば、大きな取りこぼしがあることがわかる。
そこで、確度の高いリストづくりを実現するために、データベースの刷新を検討。その中で、マッチ率の改善ができること、ターゲットリスト作成を効率化する機能が備わっていることから、「ユーソナー」を選定した。
同社のSalesforceの取引先・リードのデータを用いて、テストマッチを行ったところ、マッチ率は93.5%に改善。
さらにマッチしたレコードの属性付与率も、業種大分類で87%から99%に、従業員レンジで85%から98%へと改善され、トータルの付与率は21%も改善した。「マッチ率の改善が最大の目的であり、ポジティブな結果が導入の決め手となった。そして、リストを作成したときに、情報が揃った状態が実現できそうだという感触を得られた」と塩貝氏は語る。
そして、ターゲットリスト作成の効率化機能については、まず系列関係が網羅されており、グループ企業内の契約・接触状況が把握しやすいことがメリットとして挙げられた。視覚的に見やすいだけでなく、リスト化がしやすいため、ターゲットの有効化においてスピーディに活用できる。また、従業員数のレンジが細分化されているためにSMBや大企業レンジを細かく把握・分析できることも決め手となった。