インサイドセールスに特化したアドオンを提供する理由
――インサイドセールスの業務に特化したSalesforce High Velocity Salesは、どんな背景で提供することになったのでしょうか。
米国でのインサイドセールスのブームは15年以上前から続いています。トレンドを後押しする要因はふたつです。ひとつは2008年の世界経済の悪化を受け、企業が出張予算の緊縮を行なったこと、もうひとつはウェブカンファレンスのテクノロジーが急速に進化したことがあります。多くの企業がお客様と直接会わなくても、ウェブカンファレンスで商談や交渉を安心して行えるようになりました。面白いことに、出張予算が回復した後もインサイドセールスはなくならず、ブームはさらに加速したのです。これはインサイドセールスという仕組みがすでに定着していたからだと思います。
日本でもインサイドセールスを立ち上げる動きが加速していますが、ビジネスは東京に集中しているので、企業が地理的に分散している米国とは動機が異なると思います。自分たちの将来のビジネスをどれだけ拡大できるかが関心事でしょう。インサイドセールスの業務は商材の販売だけではありません。営業のために見込み客に電話をかけたり、商談の約束を取りつけたりすることもあります。営業活動は段階的なプロセスであり、各段階のスピードを加速させるために私たちのソリューションがあるのです。
――High Velocity Salesではどんなことができるのでしょうか。
インサイドセールスや営業は若い人たちが就くことの多い仕事です。High Velocity Salesを使えば、ファネルの段階ごとに、各見込み客へどんな対応が求められるかを理解できるようになります。High Velocity Salesはインサイドセールスや営業をサポートする以下のコンポーネントから構成されており、Salesforce Sales Cloudのアドオンとして提供するものです。
Sales Cadence:見込み客対応の成功パターンを手順化する機能。たとえば、セミナー後のフォローアップ初回でどのようなメールを送り、会話をすべきか。その後のメールでのフォローアップはどのタイミングで送るべきか、場面に応じたテンプレートが用意されていて、優秀な営業マネージャーが作成した過去の成果に基づくベストプラクティスをすべての担当者が利用できる。
Work Queue::Sales Cadenceを強化するコンポーネントで、優先的に対応するべきタスクのリストを提供する。担当者が出社したら自分のリストを見て、連絡するべき見込み客、連絡方法、連絡すべき内容を把握し、すぐに仕事に取りかかれる。
Salesforce Index:メールの受信箱と見込み客データを統合し、必要に応じてインサイトを得られるようにするもの。ある見込み客からメールを受信すると、受信箱の中でプロファイル情報などの営業インサイトを確認し、適切な対応方法を決めることができる。
Einsteinリードスコアリング:AIが予測によるリードスコアリングを行い、そのスコアに基づくタスクの割り当てやパフォーマンス評価を行う。
(日本未対応)Lightning Dialer:Salesforceの画面上で、特定の見込み客への電話の発着信、通話メモの追加、通話情報ログの記録が行うようにする。