2,000人以上のトップセールスから生まれた「5ステップ70スキル」
「型」の一例として、川上氏はソフトブレーンでの実践方法を紹介した。同社ではポケットに入れて持ち運べるカードサイズのマニュアルを用意している。そこに営業活動の一連の流れとその際になすべきこと、身につけておくべきスキル、トークスクリプト、顧客に会う前の事前準備など、「これをなぞっていけば間違いはない」という内容が示されているのだ。
顧客へのプレゼンについても、資料1枚1枚の重要ワードを記した「ブロックカード」と、どのようなニュアンスで伝えたら良いか示した動画コンテンツが用意されている。「これらを使って学びながら、ロープレで70点以上を獲得できたらお客様先でプレゼンして良いというルールを設けています」と川上氏は明かした。
またソフトブレーンでは、30種類以上のフレームワークを用いて顧客の「型づくり」を支援していると言う。中でも「5ステップ70スキル」は、2,000人以上のトップセールスの行動を分解して生まれたフレームワークだ。
「業種・業界は関係なく、できる営業パーソンは事前準備・アプローチ・ヒアリング・プレゼン・クロージングという5つのステップで商談を進め、そこに紐づく70種類のスクリプトを無意識に駆使していることがわかりました」と川上氏。それらを明文化したのが「5ステップ70スキル」であり、このフレームワークを参考に、企業ごとの営業スタイルに合う要素をピックアップして「型」づくりを支援している。
これらの「型」のメリットについて、川上氏は「教え手によって内容がぶれない」「口伝でしか教えられない内容に注力できる」などを挙げた。そしてもっとも重要なメリットは、教え手の思い込みを排除できることだと強調する。
「伝えたから、『わかりました』と返事をされたからできるものだと思っていた。そのような思い込みを排除していくのが、明文化=『型』(マニュアル化)なのです」(川上氏)