チャネルセールスの成功は戦略にあり!
最初にバーグ氏は「チャネルセールスのプログラムで収益を挙げている企業が全体の約63.5%」という調査結果に言及した。半数以上がチャネルセールスで何らかの収益と成功を得ていることがわかる調査だ。
またさらにバーグ氏によると、「チャネルパートナーが生産的に活動できるようになるまで1年以上かかる」と回答した企業は全体の24%、「チャネルパートナーに対して効果的なイネーブルメントプログラムを持っている」と回答した企業は35%という結果になったという。
バーグ氏とケトラー氏は、「生産性を上げ、数字を向上させ、ビジネスを成長させるために、まずやるべきことがあります」として、チャネルセールスの営業戦略に言及した。
ケトラー氏は「チャネルセールスプログラムには、大きなメリットが3つあります」として、次の3点を挙げた。
- 企業が顧客と直接つながることで、顧客の問題を解決できる。
- チャネルセールスプログラムを構築することで、人員を追加せずにビジネスを拡大できる。
- 市場全体の把握をし、異なる購買方法を持つ企業に対応することで、市場により深くアクセスできる。
ケトラー氏は、数年前に自社チームがソフトウェアの導入を検討していたとき、営業部長が「私はケンブリッジで直接会ってくれるソフトウェアベンダーからしか買わない」と言ったエピソードを挙げた。チャネルセールスプログラムはこのような顧客の特殊な状況や要望に応えることも可能にし、ビジネスの拡大を目指すことができるのだ。
では、いつどのようにチャネルセールスプログラムをはじめ、新しい市場へ進出するべきなのか。
バーグ氏は「新しい市場や地域への進出を考えたとき」だと指摘する。地域によっては、現地の組織やパートナーから購入する傾向が強いため、チャネルセールスプログラムを始める良いタイミングになり得るというわけだ。
「たとえば日本の企業は国内のパートナーから購入しようとする傾向がとても強く見られます。日本の風習や文化を理解し、日本語で対応してくれるパートナーを求めているのです」とケトラー氏は語る。
またケトラー氏は、チャネルセールスプログラムを導入するべき製品の見極めについて、とくにコモディティ化された製品やトランザクショナルな製品は、チャネルを通じた販売には適していない可能性があることを指摘する。その理由を「パートナーは、既存の製品に多くの付加価値を加えることができず、結果としてビジネスのシナジーが得られないためです」と分析する。
また、パートナーとのシナジーについてバーグ氏は、「HubSpotのチャネルでは、パートナーは顧客のために、ソフトウェアに高い付加価値を与える傾向があります。これによって企業とパートナーの間で強力なシナジーが生まれ、ビジネスの拡大と市場適応が可能になります」と語った。